自宅へ帰る車の中、大地はまた謎の男の声に襲われていた。
−今日はなんだよ
『汝、貫く事の強さ、それ儚き時それは混沌の始まり』
−また意味のわかんねえことを…。もっと分かり易く言えよ
謎の男の声の後ろでかすかに、聞こえる少年の声。
『…僕達は要らない。必要とされてない…。』
その少年の声は段々と謎の男の声よりも大きくなっていく。
『こんな世界要らない…。僕らを傷つけるだけの世界なんて要らない…』
−お前、そんな事本気で思ってんのか…?
2つの声は交互に混じり合う。
『汝、始まりの意思崩れようとしている時、どうすべきか答えは…』
『要らない、要らない。要らない要らない…』
−始まりの意志が崩れる時…?答え…?それって…?
要らないって何だよ、ワケわかんねえよ…
大地が謎の声との対話中、車のラジオから聞こえる避難警報。
それが聞こえてきた時、視認出来るほどの距離に、魔動機が見えた。
それは始めて見るのに、何故か知っているようなそんな気のする魔動機だった。
-あの起動兵器は…?
避難所へ向う為遠ざかって行く起動兵器を見つめ大地は何かを感じ取っていた。
[92/110 ]
← →
Original Top
[しおりを挟む]