企画小説そのII | ナノ


Trick or Treat! 2012 



「ト、トリック…」

スリサズが何かをボソボソと呟いていた。

「何を言ってるんだい?スリサズ」

「う、うるさいっ!なんでもないっ!」

「人間の?…ああ、今日だっけ」

アンサズがそう言って、日付を確認していると後ろからウルズが現れた。

「2人とも何をしている?」

「ああ、ウルズ。今スリサズが、お菓子を貰う練習をしていた所さ」

「そうだったか、随分準備がいいね」

ウルズがそう言うと、スリサズは顔を真っ赤にした。

「べ、別にお菓子が欲しくてやってたわけじゃないっ!
あ、アイツらが今日はそういう日だって言ってたから・・・・
言って見ようと思っただけだ!」

「ま、今日はHALLOWEENパーティしようって言ってたからね。
今頃あっちでワイワイやってるんじゃないのかい?」

「お前達も当然行くのだろう?」

ウルズは、アンサズとスリサズに質問をする。すると

「どうしようかなぁ。興味がないわけでもないんだけどね」

「べ、別に行ってやらなくてもない」

ウルズは、そんな2人に、じゃあと言って衣装を渡す。

「へぇ、用意が良いじゃないか。ウルズ?」

「彼らから預かってきたんだ。着せて連れてこいとね」

「なるほどね、じゃスリサズこれ着てみせてくれ」

「な、なんで僕だけっ!アンサズも着ろっ!」

ブツブツ言いながら、ウルズから手渡された衣装を身に纏うスリサズ。
そんなスリサズを、面白がりながら見て、自分も衣装を着始めるアンサズ。

「さぁて、これで良いのかな?」

アンサズは、黒のマントに紳士のような格好。そしてオプションとして渡された付け歯を身につけた。

「これはヴァンパイアってやつだったかな。なかなか様になってるだろ?」

スリサズは、着るのに手間取っており、まだ着用は出来て居なかった。
ウルズも自分用に用意された衣装を着始める。

「僕も着れたよ。これは…ルシフェル?…要するに悪魔か」

用意された衣装と一緒に置いてあったメモを読み上げるウルズ。
漆黒の衣装の後ろに、羽のオプションが付いており、ルシフェルと言うより
子悪魔を連想させる格好だった。
スリサズも、ようやく着替え終わったようで恥かしそうに出てきた。

「…なんなんだよ、これ…。付け耳に…付け歯と、肉級の付いた手袋まで…」

「ハハハ、それきっと狼男だね。似合ってるよ、スリサズ!」

「今の絶対馬鹿にしてるだろっ!」

アンサズが、スリサズをからかっている間に、
ウルズは次の準備へ進めていた。
今度は、アンサズにスリサズに、お菓子を差し出してきた。

「お菓子?僕らは貰う方じゃないのかい?」

アンサズが尋ねると、スリサズも

「あげるほうならあの恥かしい合い言葉は言わないで良いって事だな?」

「いや、交換しあうようだよ。残念だったね、スリサズ」

「くっ…!」

スリサズは悔しそうに、している。
そんなスリサズをみてアンサズは笑っていた。

「スリサズ、練習もしたんだし良いじゃないか。
さあて、僕も悪戯の準備をしようかな?」

「お前達が随分乗り気で良かったよ。さて、そろそろ会場へ行こうか」

ウルズは、そう言ってくるりと後ろを振り返る。
隣の部屋では、HALLOWEENパーティに参加する面子がもう揃って居る様だ。

「さて、じゃあ準備はいいかい?」

「おーけー。悪戯の準備も万全だよ」

「し、仕方ない。今日だけだからなっ!!」

ウルズは2人の様子を確認し、部屋の扉を開けたと同時に3人は
一斉に口を開いた。

「トリック・オア・トリートっ!お菓子をくれないと悪戯するよっ!」





>あとがき
一昨年と昨年は、絵だったので今回は文でHALLOWEENです。
これには、ウルズ、スリサズ、アンサズしか登場しません。
あいつらとか抽象的な言葉が出てますが、
アスクレの面々でもいいし、ハガネやヒリュウの面々でもok。
うちのオリキャラ達との絡みぽいノリですが…(汗)
パーティの参加者はご自由に想像してくださいませ。



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