そこからの状況はとても酷い物だった。
メイガスは、地下勢力に勝つ為に全ての起動兵器にマシンセルを投与した。
そして、地下勢力へもマシンセルを使う事で彼らとの戦いを勝利に導いたのだ。

しかし、地球の管理と再生を優先した結果。
アースクレイドルの駒として、
感情など不要と判断されたゼンガーは洗脳を施され、僕らと同じ誰かに使役される人形となった。

イーグレット・フェフによって、壊れてしまったココは
壊れた人形と、壊れたシステム、操り人形が支配する揺り篭となった。

もう揺り篭なんて言える場所なのかもわからない

僕は、それからずっと彼女の居なくなった場所を見ていた。

僕に笑顔を。生きる意味を。
そんな素晴らしいモノを教えてくれた彼女の面影をまだ抱きしめながら。

けれど…、それからの地球は人間同士が争い、汚れ、消え、また崩壊の序章を辿り始めた。
僕らが、守ったモノは、また愚かな者たちによって壊されるのか。
死んでいった兄弟、消えてしまったソフィア、唯一の光だったルクス。
それは、僕から失われた物全て。

永い、永い時間だった。
まだ希望を、彼女がくれた光は胸に息づいていたから。
でもね、たった一筋の光はやがて、闇に呑まれてしまった。

ルクスがくれた小さな光。
人は、まだ捨てた物じゃないって信じる事ができたあの光は

憎悪、嫌悪、怒り、哀しみ、に変貌した。

長い時間、僕は何度も自分に問いかけたよ。

何のために生まれた?
−ルクスを、ルクス達、人間を守る為

何のためにここに存在する?
−ルクスが、ルクスがくれた光を閉ざさない為。

何のために、地球を、人を守る?
−ルクスが、そう願ったから、ルクスの願いを絶やさない為

じゃあ、ルクスを殺したの誰?
−人間…、そう、人間だ…

人間の誰が殺した?
−僕を作った人

ルクスは何故死んだ?
−…何故だろう。分からない。

君に笑顔を教えたから殺されたんだ
−…じゃあ僕のせい…?

そう、僕のせいだ。僕に関わりさえしなければ、きっと死ななかった
−…僕がいたから…、ルクスは…?

そんな問いかけがずっとずっと、巡ってた。
何千年も、そんな問いかけを続けてきた。

そして僕はある結論を導き出した。


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