得意料理

「姉さん、お腹空いた」

ラルナは姉、と言う事になっているリズナにそう言う。

「お腹空いたの?」

「うん、空いた」

「…いいわ、作ってあげる」

「…姉さん、作れるんだ?」

「任せなさい。超美味しいご飯作ってあげるから」


そう言ってリズナはキッチンに向かう。
ラルナは、初めての『姉』の料理を楽しみに待つ。

―どんな料理作ってくれるんだろ…?

そんな事を思っていると誰か客人が。

「ラルナー、誰かきた。ちょっと手離せないから出てきてー」

「うん」

ラルナはそう言うと玄関に向かい、客人を迎え入れる。

「よっ、ちょっと近くまで来たから遊びにきたぜ!」

「あ、ケンタ。こんにちは」

「ラルナ元気そうだな!」

「うん、おかげさまだよ。あ、今姉さんはご飯作ってるんだ。ケンタも一緒にどう?頼んでくるよ」

「…リズナが料理…だと…」

「え?なんかあるの?」

「あ。いや…。」

「そっか。じゃあ頼んでみるね。姉さーん、ケンタがきたから、ケンタの分もお願いー」

ラルナがそう言うとキッチンからリズナが返事をした。

「おっけー!」


…そして料理が出来上がる。



「…」

無言の間

「リズナ、おまえ…」

「何か?」

ラルナはその前にある料理?を見て絶句していた。
そしてケンタが速攻突っ込む。

「リズナ!お前、これただのカップラーメンじゃねーかっ!」

「そうよ、何か問題でもある?」

「ラルナにうまいもん作るって言ったんだろ!?なのに何でお湯入れて3分のもんが出てくんだよ!?」

「は?カップラーメン美味しいじゃない。これは私が、研究に研究を尽くして作ったのよ。味は保障するわ」

「何自分がいかにも作ったように言ってんだ!!?お湯入れただけだろ!?」

「何言ってんの!?良い!?お湯は何度で、どこまで入れたら美味しいか!!色々コツがあんのよ!?
アンタ、えっらそうに…!あんたカップラーメンの何が分かるって言うのよ!!?」

そんな2人の口論を聞いている、ラルナ

―姉さん…、よっぽどこれが好きなんだね…

そう思いながら、カップラーメンを口にして

「…うん。美味しい」

「えっ!?それお湯入れたd…」

ケンタがそう言うとリズナが腰をつねり

「ラルナは分かってるわね!お代わりはまだあるから!どんどん食べてね!」



その後
数時間、カップラーメンについてラルナは、これでもかっと言うほど熱く語られたらしい。


「…姉さん…ごめん。さすがにそこまで愛せそうにないよ…」


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