舞い踊る戦乙女と天使

今日は、あたし達エレメンタルナイツは、
任務で近くの町に出現した、DC残党の掃討に当たっている。





残党だから、それほど多くは無いと思ったから、4人だけで掃討に当たった。



今は、ハガネの一員だから、他の人達と一緒に行く事も出来たのだけど、


あまり人員を割くと、艦を守る人
が少なくなる。



それだけは避けなくては。

現場に着いた時、あまり数がいない様に
見えたけれど、被害は確実にあった。

それが証拠に、至る所で黒煙が上がっている。


「かなり被害が広範囲に広がってますね・・・。」

ワカバが現場を見て、開口1番に言う。

「確かに・・・。これはちょっとひどいんじゃない?」

アスミも流石に参ると言う様な口ぶりで言う。


「・・・此処で、喋っていても被害は広がるだけだ、行こうぜ。」


ケンタが、怒りを込めた様に言う。


「そうね。・・・一刻も早く彼らを止めるわよ。」


あたしがそう言うと、皆は頷きそれぞれ町の中に散る。
その後、皆で掃討に当たってる。

「ケンタ、そっちの様子はどう?」

「俺より、リズナの方がヤベェんじゃないのか?・・・少し前から通信が繋がらないんだ・・・!」

アスミがそう尋ねると、ケンタは少し青ざめながら答える。


「それかリズナさん、あえて切っていらっしゃるのかも。・・・もしかして戦いに集中したいのでは?」

ワカバがそう言う。

「やっぱり、私が行って正解かもね。」


嫌な予感がしたし、皆で散開して掃討した時も、数が余りに少なかった。


「・・・つまり、戦力を温存してたのね。」


ざっと見た所、リオンとガーリオンがそれぞれ10機。

合計20機かぁ・・・。


正直多いとか思ったけど、そんな事を思う間もなく、敵機は襲い掛かってくる。



光球を召喚し、向かって来る敵に応戦する。




ガーリオンを一機また一機、と確実に落としていく。


ブレイクフィールドは何かと厄介だから。

先に片付けておいたほうが良い。



しかし、リオンの援護射撃に邪魔をされて、数が最初より効率良く削れなくなった。

一機のリオンに隙が出来て、あたしが照準を合わせた時、ヴァルキュリアのアラートが鳴る。

「っ・・・!後ろ?!」
気付いた時にはもう遅く、既にロックされている


どう避けようかと模索しかけたその時、空から一筋のビームがガーリオンを貫いていた。


それを放った主が、あたしと同じ位の高度に降りてくる。


舞い降りてきたのは、エクセレンの愛機、ヴァイスリッターに良く似た機体。


しかし、所々違う所があり、特に背中の翼の部分が大きく違う。


「リズナ、大丈夫だった・・・?」

心配そうに尋ねるのは、聞き慣れた彼女の声。


「エスリン・・・。どうしてここに?」
思わずエスリンに尋ねる。

「皆から救援要請があったの。リズナが心配だからって。だから、私が来たの。」

といつもの様に、にっこりと効果音が付きそうなくらいに笑うエスリン 。

「それより、まだ戦いは終わって無い。
話はそれからにしよう?・・・私達は、まだ話せるから。・・・ゆっくり、ね。」

そう最後に呟くエスリン。


言葉では表せない位、悲しそうな顔だった。

あの戦いが終わった後、あたしはエスリンの元へと向かった。


百発百中と言っても良いくらいの命中率。

歴戦の人間といても引けを取らないくらいの腕前だ。


「リズナ、良かった。怪我は無いみたいね。」
エスリンはコックピットからひょっこりと顔を出す。

そう言うと、そのまま飛んで降りて来る。

それだけ身体能力も高い事がこれで分かった。

「ありがとうエリ。やっぱり強いね。」

「私なんて・・・まだまだだよ。
それに、リズナの方が私より年下なのに・・すごいね。」

そう苦笑うエスリン。


「そう言えば、似てるね・・・。エスリンの機体。エクセレンのヴァイスリッターに。」
初めて見た時から不思議に思ってた事を尋ねる。

「うん、姉妹機なの。でも、少し違う所があって、近接戦闘も出来るの。」

そう説明するエリ。

「でも、私、リズナちゃんのヴァルキュリアとも似てるなって思ったんだけどね。」

「あははっ・・。そうだね。」


そう言って私とエスリンは笑いあう。



笑いあう天使と乙女。





『力』を持つ同士。


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