Le vacanze d'estate

「リズナー右!」

「右、右!」

「そのまま真っ直ぐ!」

「今だぁ!」


「えっ、えーい!!」

ぼかっ!

「いってーよ!! あと紅葉とアスミはそこになおれ!!」

「え、あ、あれケンタ!? ご、ごめんなさい!!」








―今日は皆で海水浴。

やはり定番中の定番、皆でスイカ割りをしていた。

しかし途中でハプニングが。

リズナの番の時、一体何の怨みがあってな訳か、紅
葉とアスミでわざとリズナをケンタの方へ誘導し殴らせたのだ。

ケンタは仁王立ちで正座している紅葉とアスミに説教。



「次はワカバがやってみぃ。」

「は、はい。」

由利がワカバに棒を持たせ、目隠しの布を巻いてあげた。

「では行きますね。」

「よし逝ってこい!!」

「由利さん字違う。」

ケンタは手を横に振りながらつっこんだ。



「ワカバー! そのまま左だー!」

「右だ! そう! そのまま!」

「お前また誘導すんじゃねぇよ!」

「あいだっ!!」

ぼかっ!とケンタは紅葉の頭に一発の拳骨を。



「ワカバさん真っ直ぐ!」

「そこですよ!」

朝陽とリュウヤが応援する。

ワカバは「えい!」と棒で見事スイカを叩いた。

「ワカバさんすごいです!」

「ありがとうございますリュウヤさん。後で泳いで汗を流しません?」

「あ…いえわたくしは。」

―カナヅチなんで。

「龍のくせにカナヅチかよ。」

「人の事は言えんだろうたくわん石。」

「この棒で殴るぞ。」

突っかかる灰斗に紅葉は殺意をたぎらせた。


「じゃあ次は朝陽ね!」

「う、うん。」

アスミが朝陽に目隠ししてやり、ケンタがあるものを朝陽に手渡した。

「って、何持たせてんだ馬鹿!!」

べしっ!とケンタをぶってあわてて朝陽からあるものを回収した。

ちなみにあるものとは、金属バット+釘である。

「朝陽になんてことさせてるの!」

「ごめんリズナ…ついおもしろくて…」

リズナが代わりにスイカ割り用の棒を渡してあげ、なんとかスイカ割りを再開。

「いやぁ愉快愉快!」

「由利、お前も"準備"を手伝え。」

「ん? おぉすまないな!」

灰斗に言われ由利は彼らとは別の行動をとった。










――‥


「おーい!!」

由利が呼ぶと、スイカ割りグループは振り向いた。

少し離れた場所で、由利と灰斗と紅葉とワカバがいた。

「バーベキューしよう! あとスイカも食べるぞ!」

紅葉が言うと皆は喜びながら走ってった。



「肉ー!」

「待てケンタ。今焼くから。」

「おう! すまねーな灰斗!」

「朝陽、一緒に食べよう!」

「うん。あ、アスミちゃんこのトウモロコシ焼けたかな?」

わいわいとバーベキュー楽しんでいる一方、紅葉と由利はスイカを切っていた。

「ほれリズナ。」

「ありがとうございます。」

「リュウヤも食べろ。」

「ありがとうございます紅葉さん!」







「ふがっ!」

「お、おい大丈夫か?」

突然倒れたケンタを灰斗は慌てて介抱した。

何故彼が奇声をあげて倒れたのかというと…

「ポ…ポイズンクッキングー!?」

知る人ぞ知るポイズンクッキングに、由利と紅葉と灰斗と朝陽は驚いていた。

「大丈夫ですか?」

「「(こいつかー!!)」」

ワカバの持っている皿にはダークマターらしきものが。



この後、数名の者が腹を下したと言う。





(夏休み!!)


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