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 ※コルイド+α



※桐瀬宅のベルナールさんをお借りしました

「親しい人を殺すときに、一番選ばれる手段は絞殺」って文を見て、ついったであらぶった結果でござい。落書きって長さじゃねーよ!ってつっこみは無しで!

愛してるっていいながらコルテスくんの首をぎりぎり絞めるイドさんを想像してから読んでいただけるとうれしいかな!!


*

ぼんやり。 目の前で動かなくなった、大好きで大好きな彼を、呆けたように見下ろす。 首に食い込んでいた指を恐る恐る外すと、綺麗な形に色がついていた。
どうして、動かないんだろう。いつものように指示を出す時間じゃないか。
ゆさゆさと、肩に手を当ててやさしく揺すってみる。朝、起こす時みたいに。昼間、昼寝から起きてもらうときみたいに。そうしたら。

「やめてください」

 横から伸びてきた手に、揺すっていた腕を止められる。 誰だろうと緩く首を向けると、何故か泣きそうな、でも無表情を保とうとしているような、そんなベルナールの顔が映った。

「・・・べる」
「何、してるんですか、イドさん」

 かたかた。つかんでいる手が、微かに震えているのが伝わってくる。

「貴方、自分が何をしたのか、わかっていますか?」
「・・・」
「貴方、この人のこと、愛していたんじゃなかったんですか」
「・・・」
「どうして」
「・・・」

どうして、殺したんですか! そう叫ばれて、改めて体ごとそちらを向く。どこも怪我なんてしていないはずのベルナールが、ぼろぼろと涙を流しながらこちらを睨んでくるのを、不思議な思いで見つめる。どうして、ベルナールが泣くのだろう。
深く物事を考えたいのに、夢から覚めた直後みたいに、頭が働かない。

「ベル・・・腕、痛い」
「将軍はもっと痛かったと思いますよ。もっと、苦しかったと思いますよ」
「・・・ベル」
「どうして、こんなことしたんですか」
「ベル」
「どうして、どうして愛していたはずの将軍を、恋人だったはずのあなたが殺したんですか」
「・・・ベルっ」
「ねえ、どうしてですか!」

ほんのわずか、語尾が荒れたけれど。ベルナールはずっと静かで、それこそ、感情を押し殺したみたいな風で。 がたがたと震える腕からしか、うまく感情が読み取れない。

「答えてください、イドさん」
「・・・」
「貴方は、彼のことを、愛していなかったんですか?」
「・・・あい、して?」
「そうですよ。貴方、将軍のこと、愛していたんじゃなかったんですか。どうして、殺してしまったんですか」
「なん、で」
「自分が何をしたのか、お分かりですか?」

しゃがみこみ目線を合わせてきたおかげで、ベルナールと目が合う。ベルナールの口調は、まるで何か諭すようで。

「どうして、こんなことをしてしまったんですか。殺すということの意味が、分からないとは言わせませんよ。殺してしまったら、もう、声を聴くことも、心を交わすことも、何もできなくなるんですよ」
「・・・」
「ねぇ、イドさん」
「・・・」
「自分がしたこと、よく考えてください」

「貴方は、こんなことがしたかったんですか?どうして、大好きで、愛していて、いつでも一緒にいたかったはずの将軍を、よりにもよって貴方が取り上げたんですか。どうして、自分で奪ったんですか」

どうして。愛していたのに。その言葉に押し出されるように、ぼんやりとしていたイドルフリートの瞳から、ぽろりと雫がこぼれた。

「イドさん」
「・・・だって」
「?」
「あいして、いたから」

相変わらずふわりとした目のまま、ベルナールから瞳を逸らす。そのまま、その瞳が向かった先は、コルテスの顔。 目に留まった瞬間、ひくりと体が震えた。

「・・・あ、・・うあ」
「イドさん?」
「違う、んだ、ちがう、私は」
「い、イドさん・・?」

ふるふると頭をふり始めたイドルフリートを、ベルナールが怪訝そうに見守る。違う、とか。だって、とか。全然まとまらない言葉を、一生懸命拾っていく。

「イドさん?ちょっと、落ち着いてください」
「べ、ベル、わたし、なんてこと」
「イドさんっ」
「違う、私は、コルテスが好きで、あ、あいしてて」
「イドさん、落ち着いて!」
「愛してたんだ、大好きでだいすきで、愛しくて、だから、だから怖くて!」

涙腺が決壊したように、ぼろぼろとひたすら泣きながら、イドルフリートが言葉を吐き散らす。愛していたんだ、コルテスが好きなんだ、私は。
そう、懺悔でもするみたいに言い続けるイドルフリートを、ベルナールはただどうしようもなく眺めることしかできなくて。

「い、イドさん・・・」
「なんてこと、したんだろう。べる、どうしよう。私、コルテスのこと、愛していたのに」

ただひたすら、叫ぶのでも暴れるのでもなく、愛した人の亡骸の上で、愛してるの言葉だけを吐き続ける彼は、ひどく辛くて、ひどく悲しくて、ひどく滑稽だった。


ただ、愛しただけ。「このまま君が生きていれば、いつか君は、私のこの気持ちを裏切るかもしれないだろう?」。そんな、あてもないちっぽけな不安に、駆られただけ。
ただ、わがままに、付き合わせてしまった、だけ。

そんな言い訳を、もう、効いてももらえないんだと思うと。イドルフリートの瞳からまた一粒、涙がこぼれた。

*


わっかりづらいことこの上ないですねすみませ!

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