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 ※コルイド



前にメールテロ仕掛けたときの産物ーさいきんほんとに下種ブームきてるやばい こんなんばっか考えてるゆきがしの頭やばい 通常運転でした
てことでDV?コルイドで風邪ネタ


*

蹴り飛ばされるのも殴り倒されるのも何時ものことで。それに対しては、もうなにかを思うことはなくなったのだけれど。
今日ばかりは、拒絶をしないわけにはいかなかった。

「っこ、ル…」
「あ?んだよその手は。まさか、やめろっていってんのか?」
「―っ!」

やばい、とっさに目を瞑ったその瞬間、頭を床に叩きつけられる。ただでさえくらくらする頭が、本気で割れたんじゃないかとすら思えてきた。
続けざまに髪を捕まれたまま数回殴られるけど、抵抗どころかまともな反応すら示せない。普段にもまして力の抜け落ちたイドルフリートに、さすがに違和感を抱いたコルテスが、ふと気になって額に手を当てる。直後。

「っあつ!!?」
「っ……」

軽く触れただけで分かるような熱の高さに驚いて手を離したとたん、イドルフリートの体がへたりとコルテスに倒れ込む。
顔が赤く息は荒く。脂汗までかいているという、風邪をこじらせたのが目に見えるその姿に、さすがにコルテスも手が止まる。

「…いつからだ」
「……きの、…か、ら」
「朝は普通に見えたぞ」
「ゆ……がた…、けほっ」
「聞いてないぞ」
「………」

確かに昨日の夜は何もなかったけれど。船の上では、少しでも具合が悪くなったら船医のところへ行き、上にも知らされるのが決まり。なのにコルテスはなにも聞いていない。つまり。

「おまえ、船医のところ行ってないだろ」
「……っ」
「ふざけてんのか」

突然立ち上がったコルテスが。
イドルフリートの腹に、一切の容赦の無い蹴りを叩き込む。

「っが、は!!」

ごろごろと転がったイドルフリートが腹を押さえてうずくまるけれど、吐くのは胃液ばかりで。つまりなにも食べてないというわけで。
一旦机のところまで行き、目当てのものをつかんで再度、イドルフリートのところまでいく。動かないイドルフリートの頭上に、取ってきた水差しをかざし。
ばしゃり。

「っ…!」
「頭を冷やせこの馬鹿」

びしょ濡れの頭をつかんで、薄く開いた色の失せた口に、一緒に持ってきたパンを無理矢理詰め込む。苦しそうにもごもごと吐き出そうとするその口を押さえ込み、ようやく飲み込んだのを確認して、イドルフリートの体を抱き上げる。

「こ……る、……?」
「おまえが倒れても代わりはいないんだ」

ぴしゃりと言って抱いていた体を部屋の隅のベッドに放り投げる。
ぼふんという音と共に自分が寝るはずだった場所に着地したイドルフリートを一瞥し、コルテスが部屋の出口に向かって引き返す。

「薬もらってくるから寝てろ」

まるで、労るような態度と言動。

言葉が切れると共に閉まった扉を見て、疑問と感謝と不可解さでいっぱいになったイドルフリートの瞳から、涙となったそれらがぼろりと溢れた。

*

ずたぼろ不幸なイドルちゃん目指したらこんなことになった∵
というか不幸ってわけでもなくなったよとりあえずゲステスくん大好きください

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