拍手*寂しい/高杉さん


「俺様が面白いところに連れていってやるっ!」

パシーンと襖を開け放って起きぬけの私に高杉さんが宣言した。
真新しい着物を差し出されてこれを着ろ!と押し付けられる。
とりあえず開けると淡いピンクの花柄の着物だった。

「えっ高杉さんこれ!」

「お前の為に誂えたんだ!着ろ!」

明らかにワクワクしながら高杉さんが言う。誂えたってわざわざ作ったってことだよね…ああ受け取れないなんて言えない。

「わかりました、着ます」

「そうか!気に入ったかっ!さあ着ろ!今着ろ!」

「着替えますから、でていってくださいっ」

「なんでだ!お前は俺様の嫁だろう!」

「嫁じゃありませんっ」

ぐいぐいと背中を押して部屋から押し出し、慌てて着替える。
ちょっと思い立ってポーチを開けてチークとかアイシャドーを塗っていると襖が開いた。

「まだ着替え終わらないのかっ」

「ひゃっ!?ちょ、ちょっといきなり入らないでくださいっ」

「ん?何してる?」

「そこでおとなしく待っていてください!」

「お、おう…」

そうは言ったものの、高杉さんがおとなしく座っているはずもなく、すぐ後ろに来て帯を弄ってみたり、顔を覗きこんでみたり、スクバをいじくってみたり、私の周りをうろうろしていた。

「もー高杉さん!ちょっとは大人しくしててくださいっ」

「…仕方ないだろう!お前がほっとくからいけない!」

「えぇ!」

「離れてたら寂しいだろう!」

「え…」

そんな、堂々と威張られても…

「高杉さんの為に綺麗にしてるんだから我慢しててくださいっ」

「お、俺様の為にかっ!」

「だから大人しくしててください」

「おうっ」

途端に大人しく座る高杉さんだけど、いつまでも大人しくしてるわけがないので、さっさと済ませてしまおうと思った。










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