![]() 貴珠賤蜂より出ず 5 「その顔は知らなかったみたいだな(笑)」 「え!?」 どうやら顔に出てたらしい… 気をつけないと! 「一から説明していくと…1組が機械専門。2組は電気専門。3組は電子機械専門。4組は電子専門。5組は設備システムが専門なんだ。ちなみにお前は5組だから設備システム専門ね。」 「……あの、専門教科わからないんですが…」 「普通の高校からだからな(笑)大丈夫。うちのクラスは専門教科だけは抜群に優秀だ!一部除いてな。普通科目となるとかなり弱いけどね。」 「そうなんですか…」 それってダメなんじゃ… 「それとここは工業高校だから女が1人もいない男子校だ!気をつけろよー。」 …… 何を? 「あー、あと5組になるんだから言わなきゃいけないことがあるんだが…………それは和成に任せるか。よし、教室に行くか。」 「はい」 知らない人ばかりのクラスに知らない校舎に知らない科目… なんでだろ 泣けてくる。 「そうだ、この学校の校舎は………おぉ!?どうした!?」 「え?………あ、ごめんなさい!やってけるのか不安になってたら勝手に…」 いつのまにかまた涙を流してたらしい… 駄目だ駄目だ! 男なんだからしっかりしなくちゃ!! ごしごしと涙をぬぐって大丈夫と意味をこめて笑顔を先生に向けた。 「!?……」 あれ?先生が動かなくった。 「あの、先生?」 「へ?あぁ!!スマンスマン!………大丈夫だよなぁ…」 語尾の言葉は小さくて聞こえなかったけど、何かブツブツと呟き考え事をしながら先生は再び教室まで歩きだした |