美しいものというのは愛でられる対象だと、誰かは覚えていないが聞いたことがある。いやまあ、今までの人間たちは「美しい」だとか、「流石、天下五剣の内の一振りだ」と賞賛していたのは覚えている。だからこそ、不思議でたまらない。なぜ俺が主の”一番”ではないのだろうか。俺は主に嫌われるようなことは何一つした覚えがない。ならばなぜだ。なぜなんだ。どうして、お前の側には俺ではない刀がいる。強さでも、俺のほうが格段に上だというのに。
あぁ、そうか。お前には見せていなかったな、主よ。近侍の一期一振と、俺の本気の手合を。そうだ、あいつとの差を見せればいいのだ。そしてお前の隣には俺がふさわしいのだと、俺こそがお前の一番だとな。
(ちぎって破ってこの手を取って/三日月宗近)







back

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -