マンマ・ミーア!







転生したはいいが問題が生じた。私、魔法少女になったの・・・じゃなくて私、息子がいつ復活するか知らない。


まて、四部が1999年と覚えやすいからそこから逆算すれば・・・だめだ承太郎の年齢とかも覚えていない。そもそも最後にあの冒険譚を読んだのはいつだと思っているんだといいたい。そんなに優秀な頭ではないのだよ。


しかし幸いにも私は知っている!息子が彼らを待ち構える場所を!




「おやアリア、今日はどこまでいっていたんだい?」

「ふふ、市場で瑞々しい林檎が売っていたから今日アップルパイを焼こうと思って」

「君の手料理はどれも美味い。楽しみだよ」

「ありがとう。アヴドゥルさん」


ハンハリーリで占い店を経営している彼に偶然にも拾われた私は運が良いのか悪いのか。単身、エジプトに来たはいいが人の多さだとか熱気だとかでぐったりしていたらお財布は盗られるわ明らかに怪しそうな男たちに囲まれるわで散々な目に合っているとき「何をしている?」とヒーローのように登場した彼に助けられた。

詳しい事情は話せない等とお荷物でしかない私をここに助手としておいてくれた彼はもうイケメンだよ。承太郎、彼のどこがブ男なのさ。

「深い事情はきかない。ただ話したくなったらいつでも相談してくれ」とかもう頭上がらない。私見て反応しない様子からまだうちの息子に逢ってないんだよね本当にごめんなさい。


今更ながらどこで育て方間違えたと息子の教育に関して頭を悩まされる。どうせチャンスをくれるならそこからやり直したいよ神様。





 そして問題の日がやってきた。恐れてもいた…この平穏が崩れるのを。

満月の晩、昼間出かけたアヴドゥルさんがそろそろ帰ってくるかなぁと思っていれば店の前に不審な影があった。咄嗟に息を潜め、物陰に隠れたがあのシルエットは・・・・・・誰?


店に入りもせず壁によしかかっているがっしりとした体躯の男?はそのまま二時間そこにいた。御蔭で私も動けない。動いたら居留守がばれる。だって私占いとかできないからお店に入れられないし。前にアヴドゥルさんがくるまで対応していたら襲われかかって今度から居留守を装うように言いつかった。

二時間も待っているなんて余程深刻な悩みでもあるのかもしれない。なら入れてあげればよかったなぁ。


そんなことを考えていたらアヴドゥルさんが帰って来たらしい。外で何やら話し声が聞こえる。よし、今こそ笑顔で出迎える時だ!というかいい加減この体勢にも疲れた。アヴドゥルさん〜と私が内側から店の扉を開けた瞬間、


「ウオオオオオオオ……ッ!!!」


パリーンとガラスを突き破る音と走り去る見慣れた背中。
視界に映るうねうねした何かを操る全体的に黄色っぽい男が目を見開き、息を呑んだ音が聞こえた。


え?


***


覚えていなくても取りあえず現場に行こう!精神で星一族が出奔する前にDIOと遭遇。で、館に拉致監禁。

逃亡後アヴドゥルさんも主人公のことを思い出す。




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