マンマ・ミーア!
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46歳まで日々休むことなく仕事に打ち込んだ結果、等々私は死ぬようです。
前世なら手術すれば治る病もこの時代、そして何より貧民街では死の病だ。
咳が止まらず最近では血も混じってきた。ダリオは兎も角ディオには心配かけないように隠していたがこうなっては流石にばれた。
私以上に顔を青ざめた息子が「うりいいいいい!!」と発狂しながら46のババアを横抱きにしてベッドに運び献身な看病をしてくれたのだが身体は限界なようだ。
前世の知識を総動員し、美容には気を使っていた御蔭か46歳とは思えない若さを保っているといっても病気で弱りだしてから随分窶れた。
金髪もごっそり色が抜けて白髪に変貌したのには驚いた。毎日ディオの御蔭で身だしなみはきちんとしているがあまり人に見られたくないな。
夜中に様子を見に来たダリオに疲れて眠っているディオを起こさないように遺言を託けた。
こんなどうしようもない旦那だったけどディオを彼なりに大切にしているのは知っている。だからこそ、せめてこの子が大人になるまでは周囲から守ってくれと、頭の良い子だから自分で自分を守れるように・・・。
ふゥ。My dear・・・愛しい子よ、生きなさい。美しい息子よ、活きなさい。
残された時間は夜明けまで。
最期のその瞬間をディオには見せたくない。
可哀想に、可愛そうに、私の看護で目の下隈を作って・・・
最期まで歌おう。何がいいだろう、何でもいいか。知っている歌を全て歌えばいいさ。
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[mokuji]