マンマ・ミーア!







突然だが息子は前世にあった漫画の主人公と敵対するラスボスだと知っていたら皆さんはどうするだろう。

基本読者というものは主人公贔屓だ。ラスボスはまだ人気もあるが結局は主人公の勝利を信じて疑わない。それ即ち、ラスボスの死を暗示する。

そして母親というものは10月10日も腹の中に居座った我が子に無償の愛というものを抱いてしまう。生まれた我が子がどれだけ捻くれた子になろうが親馬鹿と後ろ指刺されているのにも気づかず、ただ「うちの子はね〜」と惚気るのである。

息子が将来どんな子になるのか知っているのだからそうならないようにするのが親心だろう。

しかし!
非常に残念なことに私が息子の、所謂ラスボスのことで知っている情報は雀の涙か、猫の額程度であった!


原作が信じられないくらい長く、丁度始まったアニメに合わせて興味を持ったレベルだ。お試しでアニメ第一話とスターダストなんとかという世間では三部?と呼ばれているストーリーを10話程度しか見ていない。アニメの一話も中々吃驚ものだったが三部?で私のディオがDIOという一話に出てきたジョナサン?くんの身体を奪った人外だとか言われても回避の仕方が分からない。一話から全話みていたら分かったかもしれないが見ていないものはもう仕方がない。


そうそう、一話で思い出したんだけど残念ながら息子の犬嫌いはもう発生していた。私がいない時ダリオが無理矢理犬に近づけさせたのが原因だ。

ダリオ的には自分も犬好きだから屹度息子も喜ぶだろうって思っての行動だったらしいが、だからって4歳児にイキナリ大型犬と遊ばせるか?しかも近所でも性質の悪いと評判の。


私は猫や鳥は好きだけど犬はそこまで好きじゃないため避けていたが、息子を襲う畜生には是非もなし!腕とか噛まれたけどディオには怪我がなくて良かった。
でも腕から血がボタボタ出てたからディオが凄い泣きそうだった。余談だが、腕は痛いわ、ディオは泣かせるわでその晩、ダリオに阿修羅バスターを喰らわせた。


さて、私の中のDIOは見ていたアニメでは全身が映っていないのでネット上に挙げられた画像やイラストでしか知らない。
しかしそれでもあの服装のセンスはいかがだろう。ネットでも社会の窓が開いた服装と嗤われているのだ。屹度DIOの部下も密かにそう思っていたに違いない。
あれだ、私の好みで言えば承太郎と花京院くんがどんぴしゃなのだ。だが何故学ランがあんなにピッタリ体のラインを見せるの?
嗚呼でもDIOも学ランをきたら・・・微妙?

もしかしらた幼少期に美的センスを養えば将来あんな恰好しないかもしれないと思い、その辺の貴族よりも着こなすディオにあれこれとシンプルだがだからこそ着る人を選ぶ服を着せたり、美術品の本を見せたりと、外見だけじゃなく内面も美しくしよう計画を実行してきた。


前世記憶のある私と違い、息子は本物の天才だったらしくスポンジが水を吸う様にどんどん吸収していった。
一般的な知識から雑学まで。調子に乗ってこの時代では知られていない未来で発覚した事実やら暇つぶしで考えていた自動車や飛行機の構造、宇宙の原理やら終いには遺伝子の法則まで寝物語で語ってしまった。千夜一夜、アラビアンナイトも真っ青なほどありとあらゆる話を聞かせた。


「どうかこの子に幸せが訪れますように」


握った手が強く握り返されたのを見て苦笑し、内職でもしようと思っていたがもう暫くここにいないといけないようだと、子守歌を口ずさんだ。




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[mokuji]

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