マンマ・ミーア!


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「そういえばお前春休みにアメリカ行くんだろう?楽しんで来いよ!」


先生、どうやらそうは言っていられないようです。



「WRYYYYY・・・・どうしたアリア」


現在隣にいるのは受験時代お世話になった元担任でも今生の両親でも見知らぬ赤の他人でもない。


「・・・ちょっと気分が」

「なに!?なぜもっと早く云わん!!?テレンス!テレンス!」

「はい只今。アリア様失礼します」

「全く・・・もうお前一人の身体ではない。ここにこのDIOの子がいるのだからな…まあもとよりお前は私のものだがな」


にひりと艶やかに笑う金髪の美形と滅茶苦茶エジプトっぽい人に挟まれております。
はい、冒頭で云った様に春休みに家族旅行でアメリカに行き、エジプトじゃないから大丈夫だよね、私の貞操?と軽く見ていたらいたよ・・・アメリカでバッチリ遭遇したよ。

でも私から近づくことはなかった。五部で彼の活躍を待っている方には悪いが私まだ15歳、恋愛できるか分からないが大学にもいって、付き合っていた人にそれなりにロマンチックなプロポーズをされて結婚、出産へと望みたい。

だから町で彼を見た瞬間、走り出したいのを堪えてホテルへ戻った。「アリア早かったわね?」といった母に空笑いしか出来なかった。

夕飯は外食だとホテルから出る瞬間、ホテル前に長いリムジンがいた。そして悪寒が走ったので両親には気分が悪いと部屋にユーターンさせてもらったが背後から突き刺さる視線に早くも日本に帰りたくなった。もしくはニューヨークにお住いのジョセフのところに駆け込みたい。

翌日、ホテルのロビーにいた。ずんずんと私の方に向かってきている。決して被害妄想でもない。わ〜吸血鬼って瞬きしないんだね〜と思う位ガン見している。


ゴゴゴゴゴゴゴッ・・・・!!と妖しい音が聞こえるよ、と現実逃避を図った瞬間、DIOに掻っ攫われた。そのまま私の部屋より数倍グレードの高い部屋で押し倒され、未来のギャングスターになるだろう、彼を身篭ったのである。


何故原作はジョルノ母が詳しく書かれてないの!!
初めてを見知らぬお爺ちゃん(DIO)に奪われ、そのまま理由もなく(あっても妊娠したから)エジプトに連れ去られた。


お、落ち着くんだ。私、落ち着け。逆に考えるんだ!汐華は原作で食われなかったと。
ちゃんと生き残っていたと!三部介入時には解放されているはずだ!その時はもう出来ちゃったから仕方がない、将来有望確定済の美少年を愛でればいいんだ!

1989年、三部の開始までにDIOから解放されるはずだ!


この時「おお!一度で孕んだか!流石私が惚れただけある!相性もいいようだ」
と、私が想像していたDIOよりも数倍優しく、冒頭の様に異常に過保護な男が私を一斉手放す気がなかったこと、町で遠目(約二キロくらい)から見かけた私に一目惚れしたこと、ズキュウウンする側だった男が逆にズキュウウウウウウン!!されて部下に調べさせ、ホテルまで押しかけたがいいが、目の前に立つと理性がプツンして押し倒してしまったこと、本気で妊娠させようと次の夕暮れまで半日以上事に及んでいた等々、聞きたくも知りたくもないことが背景に存在していたのだった。



・・・数年後。


「はぁ・・・はぁ・・・も、もう、産みませんよ」

「ムッ、何故だ?ラグビーチームが出来るくらい作るつもりだったんだが」


第一子初流乃に続き、三人も子供を産んだ後の会話である。
三人目、ヴェルサスが腕の中で泣いていた。私も泣きたい。

これが1989年の出来事である。やばい、原作に突入する・・・




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[mokuji]

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