マンマ・ミーア!







目が覚めたら、…………ここはどこですか?


ポタポタと全身びしょ濡れの私がいるのは湖の淵でした。



辺りを見渡せば、あらま!全く見覚えのない場所だ。前に見た時は小さな森らしく青々とした木立があったそこはゴツゴツとした岩しかない。

そんな場所に独りで佇む私。うわぁ、寂しい。ちょっと孤独は精神的にきついので常人には独りにしか見えないけど、スタンドを出すことにした。うん、余計虚しそう。

でもいいもん!精神で「スタンドよ〜出ろ〜!」って心の中で何度も呟いたのに変化なし。あのペンギン(スタンド)!前回もどうでもいい時に勝手に出てきた癖に!


誰だ!誰に似たんだあのペンギンめ!……あ、スタンドだから精神(=私)似だ。おいおい。


それにしてもなんで私って眠っていたんだっけ…確かジョジョ世界では有名なあの石仮面にそっくりな仮面をペンギンにオラアアア!って被せられて、ついでに額にあった凹みに拾った蒼い石がピッタシ埋められてて……ハッ!?い、今何時ですか!!


見上げれば私の一族の天敵たる真ん丸お月様。嫌アアアアアア!!ってあれ?私生きてるよ?

身体も石化していない。体の中に残る太陽エネルギーも永い時間当たっていないにも関わらず、不足した感じじゃない。ソーラーパネルみたいに小まめに太陽光を浴びないと発電できないのに。


え、まさかあの時の仮面?あの蒼い石?カーズが赤石をはめた石仮面を被って太陽を克服したみたいなもん?嘘だぁ〜そんな単純な話ある筈が、あったよ


好きなように生きて、飽きたら石化しないで月明かりを浴びてあの世へランナウェイする当初の予定が!!ほぼ無敵の不老不死になっちゃったの?ええええ、あの平成の文明の利器を使って怠ける計画も死ねないならあと数千年は待たないといけないの?!!


ガクリと項垂れて落ち込む私は気づかなかった。背後からガサガサと草の根を分けてこちらにとんでもない速さで駆けつけた筋骨隆々の男の存在に。


「漸く目覚めたのか……アリア」


カーズの足元には、カーズには見えていないがアリアの目にははっきりと見えるあの憎たらしいペンギンの姿が映されていた。




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