マンマ・ミーア!
喰種世界1
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またまた突然トリップしました。が、初っ端から生命の危機です。
「なに、お前」
す、素敵なマスクですね。
見るからにヤバそうな白髪の美形の目の前に現れるとか、せめてもう少し配慮してほしい。だってほら、なんだかお楽しみ中みたいだし。邪魔されて苛々してるよ、絶対!
「お前、喰種…?」
え、【喰種】って何?何だか聞いたことあるような、ないような……その、今そこで血だるまのお兄さんや。悪いけど私半分吸血鬼だから。できれば止血して今すぐ匂いが届かない所まで逃げてくれないかなぁ。丁度前に血を吸引してから一か月経ってるから色々と刺激が強いんですが……。
あ、やばい。
*
タタラ視点
それは突然現れた。
その日は妙に絡んでくる輩が多く、ずっと苛立っていた。弱いくせによく吠える。特に人間なんかは誰に喧嘩売っているのか分かってない。赫子をだしたら「喰種だァ――ッ!!」と泣き叫ぶ。ああ、ウルサイな。
胸を一刺し。ヒクヒクと震える振動が、突き刺した腕から伝わってくる。呆気ないな。
だが次の瞬間。眩い光が目の前に現れた。
そして俺らしくないが、天使を見たと思った。金髪の天使。青ではなく、赤い瞳の天使を…。
お互いの視線が交差する。無言に耐えきれず、先に口を開いたのは俺だった。
「お前、喰種…?」
そうであってほしい。本物の天使なら、俺の汚れた手は受け入れてもらえないのだから。
もし喰種じゃなくとも、人間なら……
だがそいつは俺に応えることなく、その場から消えた。
伸ばした指先が触れたものは、ない。
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[mokuji]