マンマ・ミーア!
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1868年9月11日、誕生。
相当苦労したけどやりきった感があるわ。流石に疲れていたため出産後、気絶したらしい。
珍しく、もう一度言う、珍しくダリオが働いた。私が眠っている間に子供の出生届を提出したらしく、私は今初めて生まれた息子の名前を知るのだ。
妊娠してから名前を考えていたのだが何故かダリオが自分が付けるといって聞かない。
正直彼のネーミングセンスを信じていない私は嫌だったのだがめんどくさがりで本なんてちり紙だと公言していた彼が真剣に本を読んで考えている姿を見て折れた。だが何故にイタリア?英語だって訛りっぽいくせに態々読めない本をチョイスしたのが不思議だった。途中分からない字を聞いてきたけど前世大学でイタリア語選択しといてよかった。まさかダリオに読めないなんて口が裂けても言いたくない。私の自尊心に関わる問題だ。
さて、生まれた直後は皺くちゃでお猿さんみたいだったけど翌日には私に似た天使がいる!と感激したものだ。夢半ば、この年になると着飾る気は低下していき逆に着飾りたい気になる。
速く名前を呼びたいとダリオを急かした。はやく、はやく!
「ふふん!俺たちの息子の名前は・・・『ディオ』!!ディオ・ブランド―だあああ!!」
シャウトされた息子の名前に硬直した私に気づかず、何度も腕の中の赤ちゃんに話しかけるダリオ。そしてその赤ちゃん改めディオと名付けられた息子。
え?え?
脳内に「URYYYYYYY」やら「ジョジョオオオオ!!」という奇声と筋骨隆隆な美青年がチラついた。
え?
***
追記:彼の誕生日が不明なので捏造。
9月11日の花は葡萄で花言葉は「陶酔」
キリストの酒としても有名。
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