マンマ・ミーア!






彼、誇り高き柱の戦士、ワムウが当時まだ少女だったアリアと出会ったのはとある男に言わせれば引力だったのかもしれない。


ジョセフ・ジョースターとの戦闘に敗れたワムウは戦士として満たされた最期であり、護るべき主を置いていってしまった後悔の狭間で葛藤していた頃、不思議な光に包まれた。

太陽の様な、月明かりの様な……

ワムウはカーズの様な究極生命体になりたいという思いは薄く、その精神は騎士道にも通じるものだったがそれよりも戦いの中でしか生きていけない戦士であることは否定できない。眩い光が消える頃、ワムウは一人佇んでいた。

ワムウ自身の意志に反して、彼は気が付くといつも違う土地にいた。

――ある時は貴族の屋敷。
――ある時は市場の箱の中。
――またある時は男の手の中に……ワムウは小さな瓶に詰められた砂になっていた。

砂時計の中でいつも同じ時間を刻む。持ち主が飽きるまでひっくり返され、3分の時間を刻むのだ。


ワムウは自身の死後、カーズがどうなったのか気になったがどうしようもない。
ただ一度金持ちの家に生まれた時、聞いた名前である程度のことを察した。

『ジョセフ・ジョースター』『SPW財団』

・・・ああ、自分たちは負けたのだ。


ジョセフに、ジョジョに負けた事を彼は後悔しない。自分が認めた男の生存は主の敗北を意味していたとしても、だ。


見事だ、ジョジョ……



そしてワムウは老夫婦に購入され、小さな少女の手元に辿りついた。





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