マンマ・ミーア!


もしも3



もう一度見よう。これはスタンドだ。私以外見えていないらしい。
上はジョナサン、身体はディオ。首筋を確認したら痣もないし、継ぎあわせた痛々しい痕が残っている。


そしてこのスタンド、話せた。


『えっと、貴方がディオの母さんなんだね?』


その一言で私は地面に額を擦り付けた。見事なスライディング土下座を披露した。元日本人の私には土下座を理解できてもイギリス生まれの彼には理解こそできずとも雰囲気でなんとなく察したようだ。すぐに顔を挙げてくれと手を差し伸べてきた。どこの紳士ですか、ジョースター産の紳士ですね。


「はい。その、ディオが・・・あの」

『僕は貴方を責める気はありません。だからこれ以上謝らないでください』

ああ、もうほんとどうしようもないことをしでかしたわねあの馬鹿息子!!

こんな天使みたいな子(といっても成人した筋肉ムキムキの195センチ男だ)にあんな非道(親指を目に突っ込むとか、彼女にちょっかいをだすとか、部屋を漁るとか・・・)をよくできたものだ。


『むしろ僕は貴方に協力してほしいんです。』

「協力?」

も、もしかしてディオを散滅する手伝いとか?いや駄目よ!流石にどれだけ馬鹿をしでかそうと愛する息子には変わりないわ!


『ディオが…僕の子孫を狙っているんだ』


・・・スミマセン、それ、知ってます。でもうちの息子も最終的にオタクの子孫に「オラオラ」されて火炙りにされたり、砂漠に散布されたりと散々な目に合いますが。


『僕のスタンドで分かったんだけど彼の仲間にはホリィ…あ、僕の子孫の名前ね?彼女を救えるスタンド使いがいるんだ。……でもきっと僕が言ってもディオは協力してくれない。そこで貴方に彼を説得して欲しい。』


そんな重大な役目・・・というか、えっ?ホリィママもう倒れたの?承太郎さっきここにいたよ?ここエジプトじゃないよ?

『どうやら時期が早まったらしい。貴方がしる原作とディオ自身違うからね。だがそれと同時にあんな最期にならずに未来につなげられる可能性もあるんだ』


そうですか、それはよかった。ところでさっきから何故会話が成立しているのだろうか?


その疑問に彼、ジョナサンは申し訳なさそうに笑って云った。


『僕、貴方のスタンド・・・つまり精神と繋がっているから考えていることが解るんだ』


なんてこった!!


本日二度目の土下座を行った。




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