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風影になりました。
いきなり二代目に呼び出されて、今度はどんな鬼畜任務だよ…前ホント死にかけたんですケド?!って不平不満を内に留めながら(もし漏らすと多分反逆の意志ありとか言われて殺されるから言わないにこしたことはない)
風影邸に入ると何故か上役たち大集合〜〜
わ〜歴代の校長先生がいっぱい並んでるみたい〜現実逃避して俺とうとう何かへまやらかしたか?と過去を振り返っていると進むじーさんたちの長話に聞き捨てならないことが聞こえたため思わず口を挟んだ。
「どういうことですか…二代目様」
二代目のおっさんが引退したいって!
だからお前代わりに風影やれよ!ってふざけんな!これ以上死亡フラグ嫌だよ!お前もっとがんばれよ最近生え際をこっそり鏡で確認しているの知ってるけど黙ってやってた俺の優しさを思い出せ!
怒りでフルフルと拳が震える。
だが頷いたら最後、今までの俺の努力が全て水の泡になる!俺は今度こそ可愛い童顔系の嫁さんもらって子供2、3人作って最後は孫に囲まれて縁側でこっくりと寿命で逝きたいんだーーー!!
だが神はどんだけ俺のこと恨んでんの?って思うくらい俺に優しくなかった。
上役どころか里の忍び一丸で俺を三代目にしやがった。もっと友達作っとけばよかったと後悔した瞬間である。
***
とある上役サイド
里で最も期待を寄せられている若手の天才を三代目風影にしないかと二代目に相談された。
二代目はそやつが10の頃から絶大な信頼を寄せており、儂もその未来を期待していた。
今そやつを呼び出し、風影に任命するため皆が集まっているが、普通こういう時は一人二人は不満そうな顔をしているものだ。しかし、上役どころか、里の人間全てがアヤツを認め、もう祝福モードになっているのだからきっと歴代一、そして五大国一の影を名乗る忍びの誕生の場に儂は今いることが誇らしい。
しかし、二代目が引退のことをはなすと、奴は整った顔を歪め、何故…と呟く。
きつく握られた拳から今にも血が流れそうで奴の心情を物語っていた。
ああ、二代目が彼を信用していたように、彼も二代目を慕っていたのだろう。
なあ二代目、これほどお前が羨ましいと思ったことはないぞ。
お前が二代目風影に就任すると聞いたとき祝いたい気持ちと嫉妬の気持ちが入り乱れたが今の方がお前が羨ましい。
だからいい加減そのデレっとした顔を引き締めろ!毛根ごと抜いて禿にするぞ!!
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