砂上の楼閣 | ナノ


まだ言い訳を聞いていない


桜さまのみ持ち帰り可
旧サイトフリーリクエスト

砂上の楼閣主が本編後、木の葉に転生した場合


***



何故だ・・・


「あっ!四代目のにーちゃん!」

「こらナルト!火影さまに向かってなんて口きいてるのよ!」

「ウスラトンカチが」

「何だとサスケ!!」

「こらこらお前ら。あ〜火影様スミマセン」


信号カラーの三人と歩く18禁が目の前にいるだとっ?!!

ギャーギャー騒ぐ彼らはお分かりあのナルトたち第七班である。しかも初期メンバー。
まだ卒業したてほやほやの下忍ちゃん。


彼らが“四代目火影”と呼ぶのはこの俺、元三代目風影である。明らかに影違いだ。
前はサソリに人傀儡にされたり忍界大戦に巻き込まれたりと色々あった。色々あったがこれ以上俺に何を求めると謂わんばかりに降りかかる災難。

そして


「ん!皆静かにしようか。火影さまのお話をちゃんと聞こうね」

「「「「はい・・・・」」」」

「じゃ、お願いします」


キラキラ爽やかイケメンオーラ全開な彼こそ本来の四代目・・・の、はずが今は俺の側近であり右腕だ。原作で彼が着ていた羽織を俺が着ているため服装は上忍時代のスタイルである。

可笑しい。
砂の情勢は知らなかったが原作木の葉は知っているため、彼是奮闘した結果、ナルトは九尾の人柱力じゃない。生まれ変わって同期にこのイケメンがいたり原作ナルト同期メンバーのミニマムがアカデミーにいたりと驚き尽くしだったが転校生こと赤い血潮のハバネロさんがやってきた時、流石に俺がいつどこに生まれたのか認めた。認めたからこそ色々根回しした。


今俺の隣で笑顔なのに、(大事なのでもう一度言う)笑顔なのにナルトたちに向かって「話聞けよオラ」と威圧する男も当時は「白砂くん!白砂くん!」と子犬のように可愛かった。だけど彼が天使の顔をした魔王さまだと俺は知っている。


うっかりクシナさんフラグが立ちそうになったときは焦った。道端で赤毛を見つけ、どこそこのトトロに登場する妹ちゃん宜しく髪の毛というどんぐりを追いかけたのが悪かった。

目の前で明らかに誘拐されますって感じの女の子がいたらどうする?
俺は元風影。しかも中身はとっくに爺だ。見た目同世代でも俺からしたら「うちの里の子になにするんだ」レベルだった。なのに助け終わったあと「貴方が私の運命の人だってばね」と陶酔しきった顔で抱き付かれた俺はどうすればよかった?俺の後ろで普段のアイドル顔どこいったというくらい険しい表情のミナトくん、その視線に込められた燃えるような嫉妬は俺に対してだよね?なんかクシナちゃんに向けられているけど違うよね?

流石にサソリの時以上に全力でこのフラグを潰しに掛かった俺悪くない。


三代目・・・ああややこしい。猿飛さんが次代に何故かミナトじゃなくて俺を指名したとか、アカデミーで仲良かったちっこいシカマルがおっきいシカクパパへと変貌し、俺の側近で相談役の座をミナトと取り合ったとか・・・もう一度問おう。何故だ。





 この日は朝からずっと嫌な予感がしていた。そう、嵐がくるような予感。


「火影様!侵入者です。護衛の忍びが5人やられました!」

「何人だい?」

「ミナト上忍!敵はたった一人です!額当てはなく、マントで顔は判断できませんが傀儡を操っていることから恐らく」

「砂出身か・・・」


ああ、まさか。


「火影様を出せと言っておりますが・・・」

「そんなの俺がやっつけてやるってばよ!」

「手前じゃ無理だろうが」

「んだとサスケ!!」

「お前たち今はそんなこと言ってる時じゃないよ」


ナルトたちが今にも飛び出そうとするのをカカシが押さえている。
ミナトに目くばせして彼らのことを頼むと了解と頷いてくれた。


さてと


「火影様どこに?」


「ちょっとな」


我儘お姫様を迎えに行くか。俺の身体が危なくなる前に・・・な。




***



結論。門前で暴れていた不審者は予想通りサソリでした。
しかも俺と同じで記憶もち。俺と違い砂に生まれて・・・というか逆行していたらしい。
そこで俺とは違う本当の風影に戸惑い、衝動で里抜け。彼方此方を転々としながら俺を探す旅に出ていたら新任の火影(つまり俺)の噂を聞き「まさか」と情報を探っていたらしい。

まぁ仮にも影だ。俺の情報がそう簡単に手に入る筈がなく(何しろIQ200以上の天才が根回ししてくれたのだから)、今日まで手出ししてこなかったらしい。


第三次忍界大戦でオビトとリンちゃんを守ればよくね?って必死だったからね。勿論暁は出来ていない。オビト=トビでマダラとか暁とか知っているサソリにしたらこの世界は可笑しいからね。一番重要人物がいる木の葉には前々から目を付けていたそうだ。


「ということで白砂の恋人のサソリだ」

腕を組み、偉そうに上から目線で自己紹介をしたサソリは相変わらずの通常運転だ。
だけどサソリさん、この状況は怖いよ。


「ん!誰の恋人だって?」

ミ、ミナト〜〜!!!怖いよ〜〜!!!見て、カカシも怯えてるじゃない!


「面白い冗談をいう子ね。その身体、傀儡の身体に自分自身すら改造したという噂は本当なのね」


そして何故か登場大蛇丸。い、いや、色々あったことの一つなんだけどミナトが火影候補の時は名乗り出ていた彼も俺も上がった途端手のひらを返したように降りた。そして俺の側近選挙に立候補しだした。因みにミナトとの仲は微妙である。美少年好きな彼は嘗め回すようにサソリを見ているが俺の予想が正しければ明日には昔の様に「おっさん」呼びをしだすだろ。


ゴキブリでも見たかのような視線を大蛇丸に向けているサソリは順に彼らの顔を見、フンと鼻で嘲笑った。室内にいた人間の額に青筋が浮かぶ。やめろ、サソリ。気づいているか知らんがそこにお前をぼこぼこにしたあのピンクちゃんことサクラがいるのを忘れるな。

今は普通の下忍だが数年後には変貌するんだぞ。
ピンクちゃん無双が始まるんだぞ。
今は大人しくとも内なる彼女はそこにいる。しゃーんなろーと幻聴が聞こえてしまうのだった。



***




サソリSIDE


 俺は死んだ。そして何故かまた同じ親の下に生まれた。
幼いころに死んだ両親、白砂の自我が戻ったあの感動すべき日に再会した祖母の下に生まれたのだ。所謂逆行というやつだ。
赤ん坊時代はもどかしかったがまだ堪えられた。

なのに・・・!!!


――ダンッ!!

「何故白砂がいないんだ!!」


外見五歳の少年が般若も吃驚する険しい形相で机をたたいた。口の悪さは仕方がない。
見た目は幼くとも中身はおっさんなのだから。口の悪いのは祖母に似たんだろうと周囲に納得されているとはいえ物凄く不自然だ。


「なんで白砂の位置に他の奴がいる」


ギリッと歯を噛み締める。その視線は風影邸の方向。彼は憎々しげな眼差しをしていた。


「あんな、あんな男!外見だけじゃないか!俺の白砂の方が発せられるカリスマオーラが感じられたし、近づけば爽やかなジャスミンの香りがしたのに!!あの男からするのはただの加齢臭だ!!」


ダンダンっと続けて机に八つ当たる。酷い言い分だ。
両親の友として遊びに来た三代目風影は本来の風影だ。そんなことは知らないサソリには偽者にしか考えられず、また傀儡にしてでも一緒に永遠を生きたかった最愛の恋人がいないことに彼は絶望した。

絶望のまま家に引きこもった。

言い渡される任務は淡々と熟し、相変わらず砂の天才の称号は手に入れたが心は空っぽだった。
そんな時、一つの吉報が訪れる。


「四代目火影?」

「ああ、何でも結構若いらしいぜ」


友人が知らせたそれにサソリの脳内には第四次忍界大戦でみた波風ミナトの姿が思い浮かぶ。確かに若かったなと一人納得していると友は気になることをいった。


「側近があの黄色い閃光らしいぜ。火影は木の葉の忍びなのに傀儡を使うらしい」

「何?」


どういうことだ?サソリの記憶を一致しない。そして傀儡使いという点にも引っ掛かった。
まさかな・・・


「おい、そいつの名前は・・・?」

「ん?確か・・・」


それを聞き取ったサソリは口角を上げこういったという。

「やっと見つけた」






その晩、サソリは里を抜けた。




***

楼閣主はサクラがトラウマ。第四次忍界大戦で更に悪化。
サソリは里抜け後情報を仕入れ木の葉へ行きます。




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