03
サソリSIDE
もう終わろう。
疲れたんだ、白砂に喜んでもらえる。白砂に褒めてもらえる。そのだけのために傀儡になって、里との柵を切って、一緒に暮らしたかった。
その夢は叶った。だがその代償に俺は白砂の心を失った。
自我を以て動いたり、話したりできる俺とは違い、他の傀儡同様に時が止まっただけの白砂に俺はもう限界だった。
丁度いい、此の儘、ここで死ぬのも悪くない。あの世で白砂に逢えるなら、それでいい。
魂が無いとはいってもこれは俺の愛した三代目だ。
その首も、身体も、構成するネジ一本だろうと俺の白砂だ。
残念ながら全てを集めるだけの余力はない。一番近くにあった頭部をチャクラ糸で引き寄せ、胸に抱きしめる。
離さない離さない離さない!!
これから死ぬことに恐怖はない。
だって一緒に永遠を生きようと、誓ったのだから。お前がいないと気づいた時点で後を追えば良かったんだ。
他のコレクションにも何の未練もない。欲しければ勝手に持っていけ、だが三代目だけは渡さない。渡すものか!
後ろで固まっている小娘たちの御蔭で終われるんだ。
せめてもの礼だ。大蛇丸情報を教えやる。
大蛇丸め、精々お気に入りの餓鬼(サスケ)を必死で守りやがれ。
――その間に俺はもう一度白砂と(エデン)を満喫するさ。
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