02
サソリSIDE
あろうことかあの小娘、俺の白砂をぶっ壊しやがった。ふざけんな、俺がどれ程愛を捧げた至高の一体だと思ってるんだ?!後でデイダラにネジ一本だろうと絶対に探させてやる。何ならイタチを呼んで写輪眼を使わせてでも部品を探す。それでも見つからなかったら木の葉の日向一族を掻っ攫ってやろうと思う。
ムカついたから自分自身を久しぶりに使ったら久しぶり過ぎてどこに何を入れたか忘れた。
曖昧な記憶じゃあ一つ一つの動きが鈍く、その隙を突かれてしまった。不覚だ。一生の不覚だ。
チヨばあが小娘に何かこそこそ言ってる。
しゃんなろー、しゃんなろーと五月蠅い小娘め!お前がさっき俺の白砂を熱っぽく見つめていたの知っているんだぞ、こら!
鬱陶しくなってきたから数で一気に畳み込んでやろうとしたが・・・やるな。連携組んで確実に倒して行く様子になんかモグラたたきみたいなことしている小娘が面白くて観察しすぎたらしい。変なボール投げられてあえなく今の身体を手放した。
不意をついた攻撃を仕掛けたが流石チヨバア、見破っていたらしく昔俺が作ったとか言って初っ端に登場した父と母の傀儡で俺の核を狙ってきた。
ふ、甘いな。
俺の動揺を誘いたかったんだろうが生憎俺は寧ろ俺の知らない三代目を知っていた父と母が嫌いだ。二人が死んでから三代目と映っている写真をみて俺がどんだけ嫉妬したか身内の癖に知らないのかよ!
だが甘いのは俺もだった。
この身体(今使っている自分の傀儡)に油さすの忘れていただと・・・っ?!!
何百体もあると三代目に掛ける時間を減らしたくはないから他の傀儡のメンテナンスが面倒で稀に何体か適当にしてたけど、まさかこんな時にその数少ない一体に憑依するとか最悪だ。
迫りくる刃を避けたくても身体が動かない。くそっ、俺が死んだら三代目は、白砂はどうなる?砂の芸術観もないくそったれどもにいいように使われ蹂躙され続けるのか?俺の白砂なら美術館にも寄贈されること間違いなしだが・・・。
ああ、どうすればいい。
白砂!
***
あ、ども。サソリが自力で身体を戻したのをみて頑張ってみたら・・・出来なかった。
俺の馬鹿あああああああ!!!このダメな子おおおおお!!
う、動けない。
首と身体も離れているから今の俺は明らかにゴミだ。
傀儡て燃えるゴミ?埋め立てゴミ?俺的に火葬がベストだけど、もしかして俺って意識ある此の儘燃やされるの?え?それって火あぶりじゃね?
いやああああああああああああああ!!!
俺が大絶叫をあげた途端、目の前で亡き親友とその美人の奥さんに刺されそうなサソリにもギャー――!
動けない俺はただサソリが事切れるのを見ているだけだった。
チャクラ糸で俺の頭部を引き寄せ、大事そうに抱えて目を瞑るサソリの死に顔を見ているだけだった。
そして俺は覚悟を決め、目を瞑った。
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