06
フー!フー!と髪の毛を逆立て俺を離さんと言わんばかりに強く抱きしめながらナルトたちを威嚇するサソリ。亀の背から戦場までの地獄の追いかけっこはご覧の通りサソリの勝利で終わった。
目の前で土下座しているナルトたちの顔が腫れている。ナルトたちは尾獣モード全開だったはずなのに追いつけるサソリってすげえ。
ナルト曰く俺を連れていけばサソリも付いてくると思ったらしい。うん、当たってるね。
サソリからしたら目の前で掻っ攫われたようなものだけど。
お説教中に綱手さんとかエーさんとか来たよ。で、原作通り。そのまま俺とサソリはこの二人に着いて行けとお達し。
やだな〜面倒だな~と思っていたからかな?
▼森から、穢土転生した、イタチと長門が、現れた。
→逃げる
→戦う
個人的には「逃げる」の一択だが護衛対象のナルト少年が真っ先に飛び出した。おいおい。
しかもイタチ青年がこうなることを予想していたらしく手を打っていた御蔭で穢土転生の縛りを自分で解いたよ、もうあの子チートだ。
オジサン今の若い子たちに勝てる気がしない。そんな目でイタチを見ていたら隣で引っ付いていたサソリが腕に込める力を強めた。嫉妬か?嫉妬のようですこっち近づいてきたイタチに警戒してます。
そんなんじゃないからね?だってあの子公式のブラコンでしょ?俺みたいなオジサン好きになる物好きなんて君くらいだからね?
ナルト少年と何か話終えたらしいイタチ青年は「カブトのことは俺に任せろ」とかカッコイイ科白をはいて俺の腕を掴んだ?WHY?
「おいこの阿婆擦れ、俺の白砂からその穢れた腕を離せ」
サソリがくっ付いているのと反対の腕を掴まれた。お怒りモードのサソリはチヨさまみたいで怖ぇ。必死でそちらを見ないように反対に視線をやれば必然的に俺の視界に映るのはイタチだ。
フッと微笑んだイケメンが目から血を流しだして・・・
――天照!!
ボッ!と黒炎が点されたのはサソリの腕だった。高温度のそれは耐熱効果のある素材で作られたサソリの腕の一番弱い関節部分の継ぎ目に狙いを定められたようで、俺の腕に絡みついていたそれがボトリと地面に焼け落ちるころには俺の身体はイタチ青年に囚われていた。ついさっきナルト少年に囚われたから既視感がある。
イキナリの暴挙、サソリの恐ろしさを身をもって知ったナルト達は目の前でイタチが白砂を攫った後怖くてサソリを見ることが出来なかった。
ナルトの時はドスの利いた聲と般若の形相で追いかけてきたサソリだが、地面に落ちた腕を蹴り飛ばすと口寄せで呼びのパーツを取り出し、欠けた腕を付ける。
カチッと小さな音が静寂の中に嫌でも響いた。タラリとナルトの額から冷汗が流れる。
無言だったサソリがゆっくり顔を上げた。
怖いもの見たさでナルトはその表情をみてすぐさま後悔する。あ、あれを見たから絶対今夜から怖くて寝れないってば!!
ビーは両手でしっかりと次の事態に備えて両耳を押さえた。
傀儡で作られた肺はいくらでも空気をため込み、すぅと大量に息を吸い込むと
「あのブラコンゴルゴ線野郎がァァァァァァ!!!」
般若、再び降臨する。
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