02
前回の冒頭、中々起きない奥様の隣は大の大人が一人いたかのように空いています。
朝早く規則正しい生活を送っている名前です。彼はリゾート地のあるサソリとのマイホーム(但し日当たりの悪い地下)からこっそり出て、一人広い海を眺めます。
どうしてこうなった・・・
砂隠れの里を再び後にした二人。
デイダラの報告以前に、その場を遠くから眺めていたトビとゼツにより、全てリーダーに筒抜けでした。額に青筋を浮かべ、サソリ抹殺に構成員を派遣した彼でしたが、サソリ一人なら兎も角、白砂もいるので到底勝ち目はありません。
幸いにも、サソリが敵にまわる気配なく、大蛇丸のように指輪を持ち逃げすることもなかったので、白砂は命欲しさに、所持していた大金を暁に渡します。
ちくしょー!と半泣きです。でもサソリの目には、
「ほら…受け取ったなら俺の気が変わらぬうちに失せろ」
等と冷たく言い放ったように見えました。俺の旦那さま素敵!デイダラは目がハートになった恋する乙男みたいなサソリを見てその相方をしていたことを後悔します。
さて、逃亡資金もなくなった白砂に残されたのは先代から受け取った巻物でした。
口寄せの巻物で、彼もその中身は知っています。
でも帰る場所はない。何だかんだいって、サソリのことは可愛い息子みたいに思っている名前はその巻物を使いました。
そう、雲隠れの所有する巨大忍亀の動く島にワープする逆口寄せの巻物を・・・。
***
常夏の島、リゾートアイランド。
住むのは未知の動物たち。木の葉隠れの死の森以上に凶暴な生物が生きる島に新居を構えるのは世界広しといえども、この砂隠れの天才、抜け忍の夫婦だけだろう。
旦那さまは奥様によって強制的にそうなったが、分類では抜け忍だろう。
奥様の仕事は家の掃除、食事の準備、洗濯、疲れて帰ってくる旦那様の癒し。しかしサソリが実行しているのは最期の一つのみである。
食事を必要としない二人だが、住んでいる以上掃除も洗濯もする必要がある。
その全てを割烹着を身に着けて熟すのは名前です。
朝から洗濯物を乾かすには不適切な地下から上がり、日当たりがよくて、獣たちに邪魔されない場所に干す。その距離数キロ、往復するのに瞬身を使う。掃除も窓がないため、風遁で空気の入れ替えをしたりと、旦那様は流れない汗を手拭いでぬぐいます。
全て終わると、漸く奥様が起きてきます。
どこにいっていた、
構え、
もっとぎゅっとして?
中々甘え上手な奥様ですが、見た目15歳中身35歳の立派な詐欺師です。
・・・旦那さまは見た目30代中身70代ですのでつり合いは取れているのでしょうが。
腰に抱き付く奥様を見ると
前世で流行った初○ミクの「ワールドイズ○イン」が頭に流れてきます。但し食べたがる甘いものの対象が自分という以外傲慢なとこはそっくり。
嗚呼、何で俺は主夫になってんだ!!
*
その日も白砂は洗濯籠片手に家を出た。
遠くの方から聞こえる騒ぎ声。
ここからでも見えるイカの足。
嗚呼、お隣さんができたのか・・・折角だし、ご近所付き合いは大事だよね〜。
物ぐさな奥さんをさて、どうやって引っ張っていくか。フム、顎に手をあてて思案する白砂と珍しく早起きしたのに隣に旦那がいなくて不機嫌マックスのサソリ。
二人が新しい住人の正体に驚くまで・・・。
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