木下闇 | ナノ


▽ 孫が審神者で祖母が補佐

木下闇主の孫が審神者になりました。


はたけカカシ:26歳で孫。審神者。マスクで隠れているけどかなりのイケメン。左目に傷があるが両目は黒色。実は天才。
図鑑説明文風「俺?俺はね、はたけカカシ。元木の葉隠れの里の忍び…あ、一応六代目火影って呼ばれてたよ。今はただの高校の先生やってる。ま、俺の言いたいことは一つ。仲間は大切に、ね?」

木下闇主:祖母(ただし外見は孫より若い)。孫が審神者になったので補佐役として政府を脅し…お願いして異例だが本丸に住む。本名うちはウキナ。複数の兄がいるが全員重度のシスコンを患っており、彼女自身も『身内大好きうちは一族』らしく家族を溺愛している。

図鑑説明文風「私の名前はうちはウキナ。まぁ、うちはマダラ・イズナ・イタチ・サスケの妹にして、夫の扉間さん曰く最も危険なうちはらしいうちはだそうです。生まれは忍界の六道仙人時代ですから正確な年代は不明ですね…。あと、カカシ君のおばあちゃんです。歳が合わない?ふふふ、知りたいですか?」


***


俺、はたけカカシはこの度政府より審神者として選ばれ刀剣男子という刀の付喪神を使役して歴史修正主義者を退治する任につくんだけど…、


「ほんとに来るの?」

「いきます」


俺のお婆ちゃんことうちはウキナちゃんが政府を脅し…説得して一緒に来ることになった。
普通審神者の本丸には他に人間は入れられないらしいのにね?何したのか気になるけど怖くてきけない。

ただ言えるのは説得する際、例のうちはのシスコン軍団を引き連れて行ったというから政府の役人さんが憐れだったな、ってことくらいかな。


「でも、ねぇ」

「不満ですか?」

「んー、ただなんとなく」


――完全無敵のチート様を補佐なんていって連れて行ったら卑怯だなぁ。

この世界に転生して俺たちはもう嘗て存在したチャクラを持っていない。忍術幻術も使えない。武器の所持は法律で禁止されているから昔の習性で俺たちは体術(こっちでは柔道とか剣道とかだね)を鍛えるしかなかった。

だけどたった一人、忍術や幻術どころか瞳術、さらに念能力まで使えてしまうのがウキナちゃん。

うちのおばあちゃんに勝てる奴っているのかな?





人の形を得たばかりの薬研藤四郎は目の前の人間に困惑した。

「よお大将。俺っち、薬研藤四郎だ。兄弟ともども、よろしく頼むぜ」

そんな自己紹介に続くかのように審神者らしき人間はこう答えた。


「ん、よろしくね。うちは色々あって審神者の俺に補佐役のおばあちゃんがいるからさ、よかったら俺のこと、オビトって呼んでね」

「私が補佐役でおばあちゃんです。どうぞマダラと呼んでください。孫のこと、宜しくお願いしますね」

付喪神を言霊で使役するのが審神者であり、本来名前なんか名乗らない。考えたくないが反逆や神隠しが可能となるからだ。真名にはそれだけ大きな意味がある。

だが彼らはごく自然に名を名乗った。これはいけないと面倒見のいい薬研は早くからこの自称孫と祖母に注意することにした。

しかし当の二人は顔を見合わせてニコリと微笑むと事前に打ち合わせでもしたかのように揃って返答する。


「「大丈夫ですよ(だよ)」」


ニッコリと目を弓なりに細めて笑う顔は二人ともよく似ていた。同時にアイツ(あの人)なら名前くらい知られたって大丈夫だろうという思考すら全く同じだった。


その有無を言わさない笑みに気圧された薬研は「そ、そうか」としか返せなかった。






※今更ですが初期刀は加州清光です



「マダラちゃーん!」

自分の膝を枕にして腹に顔を埋める青年の形をした加州清光にウキナは「何ですか」と優しく返す。その心中ではいくら自分で言ったとしてもあのマダラ兄さんの名前でちゃん付けは気持ち悪いですね、とか思っていたが、傾世とも言われた美貌のうちはは伊達じゃない。

天下五剣の三日月に並ぶ優美な相貌で微笑まれては落ちない刀剣男子はいるだろうか、いやいまい。

自分をでこること、綺麗であることに並々ならぬ執念を抱いている加州清光は人間とおりこして人外じみた美貌の補佐役も気に入っていた。主であり審神者のカカシよりもウキナに懐くほど気に入っていた。カカシのことは「オビト」と偽名を呼び捨てなのがその証拠である。


「清光はほんと可愛い」
「えへへ」


鈴を鳴らしたような声で『可愛い』と謂われるのも好きだ。
傷一つない白魚のような手が頬に触れ、親指で擽るように撫でられると、こそばゆい。

にへらと笑う姿形は青年といってもよいのに、その性格は人懐っこくて甘えた。ウキナはすっかり大きくなって甘えしらずな孫も可愛いが素直な加州清光はもっと可愛くてしかたないとひっそり目を細める。

その目には孫に害をなすなら容赦なく切り捨てるか燃やすだろう冷徹な炎を宿しているが、瞬き一つで瞳の奥に隠して、相も変わらず加州清光の濡れ羽色の髪を撫でる。


「ねぇ、俺のこと好き?」


時折彼はよく好きと謂わせたがる。不安なのか、それとも欲張りなのか。
まぁ、兄さんたちの次の次くらい…扉間さんと同じくらいでしょうか、と自分の中のランキングを照らし合わせて位置づけをしてみると意外と上位だ。

置いてきた夫を脳裏に思い浮かべる。ムスリとした孫よりも白い髪のあの男は大人しくしているだろうか。屋敷を兄さんとの喧騒で壊したりしていないか。つらつらとそんなことも頭の片隅で考えつつ、返事を待つ青年に太陽のような微笑みを浮かべて、


「大好きですよ」






「まぁ、形あるものはいつか壊れる、それが今日だっただけの話だ」

「そうですね。役目を終えてほんの少し疲れたんでしょう。おやすみなさい」


老若男女、人も人外も魅了する美しすぎる男女は憂い顔すら美しい。ハッと見惚れてしまう山姥切国広だったが、いけないいけないと頭を振り現実逃避をやめた。


「…だからといって二人がその壺を割った事実は変わらない」


そう指摘すれば二人そろって一瞬考えるふりをした後、また揃って微笑む。喰えない人外の笑みに思わず一歩後退すれば物理的な距離は逆に近寄っていた。何故?


「まさか、これが『ザ・ワールド』の力…」

「違いますよ」

ただ見えない速度で移動しただけです、と今度は背後にいたウキナ。肩に手を置かれ耳元で囁かれたことで気づいた山姥切は前門の虎、後門の狼に怖気づく。


「はっはっは、そんなに縮こまるな」

「そうですね。つい、」

「「苛めたくなる(なります)」」


審神者曰くの愉快なじじいとばばあが揃っている時、近づくな危険が本丸では発動される。
が、逃げおおせたものは1人もいない。







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