暗殺一家宅とミナト班2(完)
「ようこそいらっしゃいました」
出迎えた執事は穏やかな表情で彼らに頭を下げているが、その笑顔の下で最大限警戒していた。なんたって今でこそスズと再会し精神的に安定している男達だが、ちょっと前まで情緒不安定で何人の執事が巻き込まれる形で死んでいったことか。
「ああ」
「ん、お邪魔するネ」
「こ、こんにちは」
スズを守るように佇むオビトたちはそんな執事の態度を気にした風もなく、早くしろと目で訴える。丁寧に一礼すると、執事は早足でその場を後にした。
通された客室で悠々と寛ぐ三人だったが、彼らに近づく気配を感じ取った。
「「「あ、」」」
「「「ああッ!!」」」
オビトたちを見て驚愕するゴン、レオリオ、クラピカの三名。オビト達はしまった、コイツらまだ屋敷に来てなかったのかよ!とゆっくり来たことを後悔する。
「なんでここにいるんだよ!」
「(ナルトやキバみたい)……えっと、貴方たちはまだキルアに会えてないの?」
元の世界へ帰る手掛かりのため、とは言えないためスズは話を逸らそうとしたが、それはゴンたちにとって地雷である。
「うるせぇー悪いかよ!!!」 「おいお前スズに対してその口の利き方……どうやらこの前ので懲りてないらしいな」
あ、レオリオがビクッてなった。ここで暴れたらダメ、絶対。
真顔のオビト怖いって云ったら大人しくなった。よし、今度からこれで止めよう。
「あ〜お前たちは私たちの邪魔をする気はないのだな?」
確認のためクラピカが問いかける。敵意が向けられてないため三人は大人しく頷いた。
それにホッと安心の溜息を吐くクラピカはレオリオにやめておけ、もう関わるなと訴える。
「お待たせしました。オビト様、カカシ様、スズ様、どうぞこちらに」
「おい貴様何故スズが最後なんだせめてカカシより先に呼べというかお前ごときが例え敬称つけていても名前を気安く口にするな。」
「すみませんオビトのことは放って置いてください」
やだ恥ずかしい。いいから早く行こうってオビトの背中を押したらカカシが「俺も俺も」って言い出した。もう!
「ほら、二人とも行こう!」
「「うん」」
差し出された手をギュウッと握る二人はその時点でゴン達なんて気にしない。
三人は唖然とする彼らを置いて部屋を出て行った。
余談だが、やっぱり三十路近いおっさん二人がデレデレと顔を緩めて12、3歳の少女に手を引かれて歩く光景は何度見ても怪しかった。
***後書き
ここで60万打記念企画は終了です!長い時間お待たせしました。
ミナト班でトリップ…元々アンケートで一位に輝いたREで企画をするに至って、管理人の趣味でハンター世界に落しただけですが、まだまだ続きそうなのでここでストップ。
次の企画でこの続きをやってもいいし、他の世界に落してもいい。ミナト班といってるのだからミナト先生も連れて行ってあげたいなぁと思いつつ、ミナト先生は暴走する二人を必死で止めるスズを見て「俺の弟子たち仲いいなぁ〜」と微笑むだけ。ストッパーにはなりません(笑)
一度だけ名前を出しましたが、某旅団の団長ともカカシさんは面識あります。スズを探していた情緒不安定時期が初対面だとその変化に大抵の人は「え、誰?」って思う。
オビトもヒソカ繋がりで面識ありますが、パクノダさんやマチさん、シズクさん等素敵な女性陣もスズ以外には興味ないと断言しついでに記憶も覗かれて以来、女性陣にはロリコンと蔑まれ「やっぱりヒソカの弟子」と云われてます。それでも気にしないオビトさん、そこに痺れる憧れるぅぅ!!とは言いませんが。
それでは、また 管理人 マツカゼ
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