オビト視点
オビト視点
最終試験前に面談が行われた。
番号順らしく、スズが先に呼ばれたが俺とカカシは変態からスズを守るべく周囲を警戒し、じじいの部屋の前で待機することにした。勿論屋根裏とかに影分身を配置済みだ。会長のジジイの引き攣った顔?知らね。どうでもいい。
だがこっそり部屋の中に侵入していたのを会長に見つかった。っち。
「馬鹿、マヌケ」
「黙れカカシ」
マスクをしてるくせに表情豊かなカカシの揶揄を一蹴し、再び警護体勢に戻る。が、
「さっきの言葉お前にそのまま返してやる」
「黙れ」
カカシは自分からボロを出して見つかったらしい。会長がグズグズ泣いているアホをつまみ出す直前に隣にいたカカシが消えたのでこっちは影分身だったようだ。
その後スズの面接も終わり、今度は俺たちの番になった。
「オビトの番だね」
そういって上目遣いで行ってらっしゃいと微笑むスズが可愛い。
「さっさといけよ」
カカシなんて無視して俺は印を結ぶ。ボン!と小さな音とともに影分身が出てくる。(どうでもいいけどこの試験中この術を多用してるきがする)
「よし影分身(俺)いって来い」
「はァ?ふざけんな、本体(俺)がいけよ」
流石分身とはいえ俺、どちらも考えることは同じようだ。
「「スズから離れたくない」」
*
「で、一緒に来たと」
白けた目をする会長の視線はいい年したおっさんと手を繋ぐ少女への憐れみも満ちている。
駄々をこねるオビトを連れてきたスズは穴があったら入りたいと思うくらい恥ずかしかった。ここにはいない師に助けを求めるが脳裏でミナトが爽やかな笑みで「頑張れスズ」と親指を立てていた。
「おいジジイ。スズを待たせてるから早くしろ」
盛大にふんぞり返った三十路は傲慢な物言いで会長に先を促した。
「(自分勝手な奴じゃな)うむ。では聞こう。まず、何故ハンターになりたいのかな?」
「別になりたくない」その答えはヒソカも謂っていたのでさして驚かなかったが、
「だけどスズと結婚するには戸籍がいるからライセンスは欲しい」
会長が今まで見た中で入籍のためにライセンスを取りに来た受験者は一人でもいただろうか、いや、いない。
「じゃ、じゃあお主以外で一番「スズ」…最後まで謂わせろ」
「では今一番戦いたくないのは?」
「スズ」
「(コイツ、ぶれないの)」
試験中の報告から考え、受験番号15番のためなら世界すら壊しそうなヤバいタイプだと判断した。(会長のその判断は大凡正しい)
「スズ以外ならどんなに残酷な殺し方を指定されても躊躇なく殺れるぞ」
「あい解った。返ってよろしい」
だが会長の手元のメモにスズVSオビトの名前が書かれていることからこの会長は意外と愉快犯なのかもしれない。
翌日トーナメント表を見たオビトが視線だけで人を殺しそうな迫力で会長を睨みつけた。
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