おぼえていますか | ナノ
二次試験から三次試験まで



 二次試験の握りずしは駄目押しで作ってみたけど…うん。受かる筈がない。問題は私の作ったものをオビトがずっと物欲しそうな顔で見ていたり、メンチさんが「ダメ」っていった瞬間にさっきから殺気立っていたヒソカ以上に禍々しいオーラを発したからカカシが急いで会場から連れ出したこと。ヒソカの弟子がオビトだから、結果的に危険な師弟が誕生しているのだろう。まさに師匠が師匠なら弟子も弟子。
カカシはイルミの弟子だから・・・うん、よそう。これ以上考えたら頭と胃がパーンってなっちゃう。

 二次試験はゆで卵に変更され、崖の間に張り巡らされたクモワシの巣から卵を取ってこないといけない。まあ忍者なら簡単だね!なんか喧嘩しているオビトたちは放っておいて一人足にチャクラを集中させ(このくらいのチャクラはまだ残っている)吸着させて下に降りていたら同じ忍者のハンゾーさんがすっごく驚いていた。あれ?できないの?


「スズ!スズ!これ、これ俺が作ったやつ!」
「うん、そうだね。」
「ちょっと退きなよオビト。ほらスズは俺の作ったの食べていーよ!」
「ああ゛?!」
「……二人とも自分の分があるから」

取りあえず二人とも、周りを見ろ。私たちに集中している視線の数、数、数、嗚呼もう、恥ずかしくて死ねる。





 飛行船に乗って三次試験会場へ向かう。配られた毛布を受け取り、各々が壁際に背を預けたり寝転がったりと、休む体勢をとる。
そんな中、外見同様若くて元気なゴン君たちは今から探検を始めるらしい。すごいなぁ。

私も寒い寒いと毛布に包まった。

「スズ」

オビト?こいこいと手招かれたので毛布に包まったまま近寄る。

「お嬢さん、寒いならここ空いてますよ?」
「お邪魔します」

 その時誰かが窓を開けたのか冷たい風を感じたので、迷いなくオビトの胸に飛び込んだ。だって寒さには代えられないもの。
 にしてもオビトって温かいなぁ……あれかな、子ども体温みたいな感じ。カカシはイメージ通り体温低いから私同様寒さで震えてる。
可哀想に……でもオビトがカカシをあっためてくれるなんてありえないだろうなぁ。背凭れ宜しくオビトの胸元に頭を寄せればドッドッドッド!!と忙しない心音が伝わる……ってちょっと速すぎない?

「オビト?」
「スズこんな奴気にしない方がいいよ」
「でもカカシ…オビト熱でもあるの?顔赤いよ?」
「………」
「ちょっとオビト、いい加減こっちに返ってきなよ…そのまま死んでくれればいいのに
「おい、」
「っち」


何だかんだで二人とも仲がいいなぁ。嬉しいけど、ちょっとだけ寂しい。




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