上のオビト視点
オビト視点
やっと見つけた……スズ、俺のスズ。
会場に着くなり感じ取ったスズの気配に嬉しさの余り頬が緩む。何かいっているほか二名を置いてずんずんとその気配の下へ足を進めた。
嗚呼、後ろ姿もまさしくスズだ。
服装も昔と同じだったからつい懐かしさのあまり瞼の裏が熱くなる。あの頃スズを失った時に感じた絶望を思いだし視界が揺れた。
なぁスズ、振り向いてくれ。振り返って、その笑顔を見せてほしい。
スズの笑顔。彼女はいつだって笑っていた。オビトの話も馬鹿にせず、呆れることなく真剣に耳を傾けて聞いてくれて応援してくれていた。喜んでくれていた。恋が叶うかどうかなんてのは二の次だった。ただいてくれれば幸せだった。そのスズが一度でも世界から消えて俺が堕ちた地獄。俺にとって世界とはスズが全てなのだと知ったあの頃…そして何故か異世界にトリップした自分たちが再び引き離され、今、再会を果たすのだ。
そして目が合った瞬間、世界が変わった。
スズのいない生き地獄が終わりを迎えた。
何故か今の俺の半分くらいしか生きていない子どもの姿だがスズはスズでしかない。生きてさえいればそれはスズだ。
彼女の肩に顔を押し付ける形でスズの生を実感していると今日知り合った忍ばない忍びに水を差された。
お前、よくも・・・!!
「ハンゾー・・・貴様、俺とスズの蜜月を邪魔するな」
スズが止める間もなく神威で飛ばした。後から追いついてきたカカシがスズに泣きながら抱き付いていたがちょっとくらいは我慢してやろう。
結局俺たちミナト班は昔も今もスズがいないと成り立たないんだと実感した。
だがいつまで抱き付いているつもりだ、いい加減離れろ!!
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