もしも第七班にいたら
皆さんこんにちは。私かがちスズ、第七班になっちゃいました。
当初、あれだけ回避していたカカシと厭でも向き合わないといけない状況に頭を抱えていたけど、顔合わせのときに無理矢理連れ攫われ、尋問まがいなことをされ、うっかり全部話してしまえば、それまで「なんでスズと同じ顔をしている」と険しい表情だったカカシが一変、「スズ!!」と号泣しました。
ええ!??と吃驚していると子供みたいに大声を上げてワンワン泣くカカシが可哀想で、つい、「泣かないの、男の子でしょ?」ってフワフワの白い頭を撫でてしまった。だってずっと「ゴメンネゴメンネ」って泣くんだもん。あれはカカシが悪くないのに、悪いのはカカシの反対を無視して勝手に死んだ私なのに。
堪らず私も涙が流れてきて、暫く二人で抱き合いながら泣きました。
それ以来、カカシは人前だろうとお構いなしに私に引っ付いています。でもね、
「か、カ、カカシ、カカシせん、せ……い」
「何?聞こえないよ……もっとハッキリ云って」
「うっ////」
「ほら、『カカシ先生』って呼んで」
「……
カカシ先生」
「ン〜まだ小さいけど、ま!そのうち慣れてくれればいいヨ」
「もう!意地悪」
「ゴメンネ。でも………スズにだけだよ」
な、なにこの展開 こう、大人の男性の色気が増したカカシがなんかエロイ。偶に口説かれている気がして、そんなことないはずなのにそう感じてしまったことが恥ずかしい。あ、こら上目遣いで顔覗き込まないで。「スズ?」って小首傾げるのとかあざとい。
男の人なのに偶に子供っぽくて、でも昔よりも頼りがいがあって、大人の包容力につい甘えてしまいそうになる。
カカシのこと好きだったのは、恋愛感情というより忍としての憧れの方が強かったのかもしれない、って思っていたのに。
どうしてだろう……昔よりもカカシを見ると心臓がドキドキする。
それにカカシも狡い。家では(あ、いつの間にかカカシが居座ってます)「カカシって呼んでv」って云うのに、任務では「先生って呼ばないと駄目デショ?」って。
「カカシ先生」
「(うわぁ、癖になりそう)なぁに?」
「その、色々と…ありがと」
「(ゴメンオビト、スズは俺が幸せにするよ)」
サスケたちが気持ち悪いおっさんでも見る様な白い目を向けていても気にした素振りを見せないカカシは、始終スズを見ながら嬉しそうに笑っていた。
***
おまけ(オビト視点)
俺は今、地獄に居る……
「か、カ、カカシ、カカシせん、せ……い」
「何?聞こえないよ……もっとハッキリ云って」
「うっ////」
「ほら、『カカシ先生』って呼んで」
「……
カカシ先生」
「ン〜まだ小さいけど、ま!そのうち慣れてくれればいいヨ」
「もう!意地悪」
「ゴメンネ。でも………スズにだけだよ」
バキッ!
こっそり侵入した木の葉の里で見た光景。20代のおっさんが、一回りも年下の教え子相手にデレデレしている姿は噂になるのも早かった。
あと一歩のところでイタチに邪魔をされ、スズとカカシが出会ってしまった。根回しをしたのに、サスケと同班にしたかったブラコンは俺よりも幻術の腕が上のシスイを使って、俺がかけた幻術を解いたのだ。あの野郎。ギリッ!
なによりスズとまた『班員』になるとかほんと、気に食わないとか、羨ましいとかいう嫉妬なんて……
するに決まってるだろうがぁ!!スズに「先生」と呼ばせて楽しんでいるカカシ。
スズの家に押しかけ、同居しているカカシ。
スズの隣で笑うカカシ。
ああ、本当に、この世界(現実)をぶっ壊したい!!
「ペイン、小南、暁の計画を進めるぞ!」
「「(やめたんじゃなかったのか?)」」
脱退したはずの男が再び世界を壊そうと暗躍し始めた。
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