18
オビト視点
「私が貴方の傍にいることを赦してくれるなら、私を好きだって言ってくれる貴方を受け止めるわ」
そういって清廉な笑みを浮かべるスズ。
スズはやっぱり天使なんだと思った。こんなに綺麗な生き物は世界中どこを探してもいるはずがないって。光明としてではなく、救いの手を差し伸べ、俺を昏く冷たい闇から引き上げてくれた。固く閉ざされていた俺の心を、開いた穴を、癒す慈愛の天使。
恋い焦がれ、狂おしいほど求めずにはいられない。
きっと嫌われたと思うほど俺は悪い方向に進んだ。否定されることを恐れるくらい、先生を裏切り、スズを裏切って、今更調子がいいことも解ってる。解ってるんだ。
でも、
「傍にいて、いいのか?もう離れていかない?」
「いかないよ。ずっとオビトといるよ。」
「ほんとにほんと?」
「ほんとにほんと」
俺は今、世界中で一番幸せな人間だ。
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