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オビト視点
振り返ったスズと視線が交差する。地面に座り込んだ俺を見下ろすスズは顔を林檎のように染めていて可愛い。いやいやいや!そうじゃなくて!いやスズが可愛いのは当たり前だけど!
「ス、スズ?」
今のは……と続けると更に紅潮した。うわぁ抱きしめたらだめかな。
「……オビト」
「う、うん」
「あのね、私、」
ゴクリ。一分が何十年にも感じられたのは初めてだ。スズの緊張が俺にも伝染してきた。いやスズから移ったんなら本望なんだけど!
ほんとなんだろうか、俺がさっき聞いたのは・・・幻聴じゃないよな?余計な期待を持ってもし違ってたら俺は今すぐ尾獣狩りを始めて十尾を復活させると思う。にしてもオドオドしたスズも可愛い。マジ天使。
「どこで羽と輪っか落としてきたんだ?」
「え?」
はっ!しまった。つい口に出してしまった。
「……オビトに聞いてほしいことがあるの」
うん聞く聞くなんでも聞きます!俺はすぐさま首を縦に振った。
*
オビトに聞かれたと思うと顔に熱が集中する。うわあ恥ずかしい。穴があったら入りたいよ。
ここはもう一回言い直したほうがいいのかなあ。でもその前に云わないといけないことがある。それを話してからじゃないと私はオビトを好きだって伝える資格もない。だからね、
「オビトに聞いてほしいことがあるの」
聞いてください。
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