13
「え!!結局紅先生は私とアスマの関係を疑っていただけなの?」
「(コクン)」
帰路でシノに詳細を問えば、紅は私が当初予想していた通りの疑問を抱いていたらしい。なんだ、私の勘違い・・・って
どうしよう
あの話、シノにも聞かれた?というか勝手に紅に暴露した私って・・・
うおおおお!と頭を抱えて自己嫌悪に陥っていると頭を撫でる感触に吃驚した。
「シノ?」
「・・・・」
いや、無言で撫でるのやめてちょうだい。
視線で咎めると、手はそのままで服で隠れている口をゆっくり開いた。
「いつかお前の中で整理がついたら話してくれ。」
だが俺は無視されるのも待たされるのも嫌いだ、と続ける彼に胸の奥が温かくなった。
「もう!だから撫でるのはやめてよ!」
気恥ずかしくなって赤らんだ頬の熱を冷ます様に顔を振り、ちょっと大げさに怒ってみる。
目の前の彼がそんな私を笑った気配がして、ドキリと胸が高鳴った。
なんでこんなにドキドキするんだろう・・・
手で口許を抑えるが、両手で顔を覆わない限り赤面は隠せないだろう。
「スズ・・・」
「シノ・・・」
カカシといい、シノといい、私って顔が隠れているタイプの男性に弱いのかな?
・・・いやいや、待て、待て待て。待ちましょう私?そもそもなんでカカシと比較してるの?違うからね、シノのこと好きっていっても友情だからね?恋愛感情だったら私アスマと同類になっちゃうからね?
私を呼ぶ彼の声色が愛おしさが滲んだような、優しい旋律に益々火照る自分の頬を自覚して、それをシノに見られないように顔を背けるが、様子の可笑しい私を心配したのか、顔を覗き込んでくるので悪化する一方だ。
まさか、私・・・本当にシノのこと……。
ドサリ・・・
物音がしたので視線を向けると、足元に花びらが散った花束に、こちらを険しい顔で睨みつける、仮面を外したオビトがそこにいた。
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