おぼえていますか | ナノ
03





オビト(26歳)の発言は……うん、あれよね。日曜八時の正義の味方たちと同類みたいなものよね。
チョウジやイノの前で今も調子に乗ってポーズを決めていたり、それをシカマルが養豚場の豚でも見る目で見ていたり、アスマがわれ関せずを貫いたり・・・カオスだ。


取りあえず今は詳しく言及しないと決めたらしいアスマの一言で任務を再開した。
敵忍はオビトが「俺が引き受ける」といって吸い込んでたけど・・・どうするんだろう?

アスマ班にオビトを加え、手紙を届け終わり里に帰還した。
道中私に話しかけることはなかったが火の国の国境を跨いで別れるときにオビトが「またな」と意味深に呟いたのが気になる。

話しかけては来なかったけどずっっっと視線が痛かったし。もう背中に穴が開くんじゃないかってくらい。隣にいたイノも気づいたのかこっそり私に「絶対あの人ロリコンよ!見て、スズを変質者みたいにじっとり見てるわ!あの木の葉の歩く18禁ってもしかして・・・」と謂ってきた。ごめん、その変質者はどっちも私の元班員です。オビトの正体は兎も角、歩く18禁の方はアスマも気づいたのか同情の眼差しをくれた。要らないわ。さりげなくオビトの視線から盾になってくれる位置に移動してくれたシカマルにうっかりときめいたのは仕方がない。


里に入り、報告に行くとイルカ先生にも連絡がいっていたらしく「お前たち大丈夫か!怪我はないか!」って凄く心配してくれたんだなあって嬉しくなった。
今じゃ私には保護者がいないからその後両親に甘えるイノたち(シカマルは嫌がっていたけど満更でもなさそうだった)が少し羨ましい。そう思っていると肩を数度軽くたたかれた。


「誰・・・って、イタチさん?」

「お帰り。スズちゃん」


爽やかに微笑むサスケのお兄さんは相変わらずイケメンだ。カカシとは傾向の違う美人さんは小さく笑った。イタチを知る人間からしたらこの笑みを見せるのはサスケかスズ以外いないため驚愕物である。
イタチはイタチでかなりスズのことを気に入っているのでサスケと結婚して義妹になってくれないかなあとか考えつつ、「大変だったな」と声をかけた。このイタチの企みを知っていればオビトは今すぐにでもサスケ暗殺に手を回すだろうが現在は久しぶりに近距離でみたスズの余韻に浸っており、それどころではない。サスケはサスケで波の国で修行中で兄のせいで一歩間違えれば命の危機に陥ったなどとは想像もしていないだろう。

(まあサスケの傍にはオビトのブラックリストナンバーワンに輝く男がいるので真っ先に殺されることはない。)

何故貴方がここにいるの?という無言の問いはスルーされ、イタチはアスマといくつか話し合っている。ここで拙いと思ったのはスズだ。アスマの口から「仮面の男」のフレーズが出たあたりでイタチの表情が変わった。そしてアスマがいるのにこちらを見てくるではないか!当然、それが意味する事に気づかないほど鈍くないアスマはイタチとスズの顔を見比べ、口端を上げた。

タラリと背中に冷汗が流れる。ジリリッと後退するスズを追い詰めるように近づいてくるイタチたち。
後三メートル、二メートル、一メートル、え、どこまで近づいてくるの?


「詳細を聞かせてもらおう」


有無を言わせないイタチにスズは項垂れた。
ニヤついているアスマに思いっきり睨みつけるが強制的に掴まされたイタチの右手に引かれ茶屋連行された。





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