おぼえていますか | ナノ
03




甲高い金属音はアスマと例の『狂人』から発生している。


とある場所で、アスマたち第十班はその霧隠れの狂人で知られる男に襲われた。


「全く…流石狂った様に敵味方関係なく無差別に殺すことで有名なだけあるな。こんな下忍たちが御遣いに来ただけで襲い掛かるのをみると、あんた殺しに飢えてんのか?」

「はは、ちがいねぇ・・・!!あんた、その腰布からしてそーとう強ぇだろぉ?楽しくて仕方がねえよ!!!」


農民が使うような極々一般的な鎌を武器に戦う相手は既に何戦もしてきたように身体にある古傷が露出した肌から伺える。アスマの攻撃を避けるのではなく態と受けて間合いに入り攻撃しているから、全てが不可抗力で負った傷ともいえない。

現に相手の放つ異様ともいえる夥しい殺気にイノたちはすっかり怖気づいている。
もし敵の攻撃がこっちに来たら避けられないだろう。


まだ卒業したての下忍にはきついかもしれないがこのまま固まっている方がもっと危ない。
三人にしっかりしなさいと一喝しようとしかけたところで感じ取った気配に反射的に後退した。


「「「スズ!!!」」」

「なっ!?っち、もう一人居やがったか」

「誰も一人だとは言ってねぇーぜ?」

「嫌な野郎だ。大丈夫かスズ」



「よくよけたね」

「子ども?」




prev next


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -