01
無事下忍認定試験に合格した第10班はあれからDランク任務を熟している。
私が危惧していた班員たちの不満もなく安定しているといっていい。
ミナト班のときはオビトもカカシも不満そうだったしね。
確か原作通りならカカシ達ってナルトが堂々と火影様に不満を訴えて、Cランク任務を貰ったまではいいけど偽装された任務だったような。
いつも通り皆で受付に任務を貰いに来たのはいいけど何故か隣のクマがニヤニヤしてる……嫌な予感がする。
「どれアスマ班にはそろそろCランク任務を任せようかのォ」
やだ、予感が的中した。
「ああ……………メンドクセー」
「ちょっとシカマル!いい加減シャキッとしなさい!シャキッと!」
「イノ、落ち着いて」
「そうだよイノ。スズの言う通りだよ」
「(紅たちのは悪いがやっぱスズがいる分子守りも楽だな)ほらお前らさっさと行くぞ」
「「「「はーい/へーい」」」」
初のCランク任務は里外への御遣い。波の国・・・ではなく水の国近くの御爺さんにお孫さんからの手紙を届けてほしいといった依頼だ。通常ならこういうのは忍びに頼まないことが多いが場所が場所なだけに普通の郵送よりも忍び単体に頼んだほうが安いしね。
同じ霧隠れの忍び繋がりで嫌な予感は止まらないけど一日にそう何度も同じように依頼を偽られることってある筈がないし大丈夫だと思いたい。
・・・それにしても
「ふふ…」
「んだよ急に笑い出して」
「ん?いや、何だかシカマル、アカデミーを卒業してから前よりも頼り甲斐があるなぁって思って…」
「…っ!!」
「え〜そぉお?私には大して変わってないように見えるけど」
「あ〜確かに…アスマ先生との缶けりの時もシカマルの御蔭で上手くいったしね」
第10班の下忍認定試験はチョウジが言った様に缶けりだった。
開始早々私にだけ解るように符号を飛ばしてきて『最初に捕まってくれ』ってお願いされたかと思えばシカマルたちが私を助けるかを確かめた。
全く、三人しか合格できないなんてカカシみたいな意地の悪い試験をするなんてね。
親世代からのイノシカチョウコンビで無事救出された私に「同期で一番優秀な奴が真っ先に捕まるなんて普通可笑しいだろう?」と見破ったあの洞察力は原作を知っていなくても目を見張るよ。
今のシカマルを見ていると同期で一番に中忍になったことも理解できる。
ただ今のままだと技が少なくて中忍試験では不利かもしれないけれどね。
「勿論イノやチョウジもよ?チョウジは術の持続時間もよくなってきたしね」
「えへへ〜・・・あれ?シカマルどうしたの?」
「ほんとだー顔赤いよ〜・・・ってもしかしてシカマル、あんた」
「ああっ?!!なんでもねぇよ!イノも少し黙って歩け!今は任務中だぞ」
「「はーい」」
「はーい。今はそういうことにしといてあ・げ・る」
「(メンドクセー奴に見られた)」
「(あらら。こりゃーオビトがあの世で騒いでそうだわ)ほら行くぞお前ら」
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