02
のはらリンという少女を知っているだろうか?
彼女はNARUTOの主人公の先生と同じ班であり、彼の持つ写輪眼という目を移植し、尚且つその目の本来の持ち主うちはオビトの想い人である。
そのオビト、英雄になったかと思われていたが実はリンを失ったショックで世界に絶望し、うちはマダラの手を取り世界に宣戦布告したばかりか、嘗ての自分の面影をもつ主人公を狙い、その上十尾の人柱力になるという波瀾万丈な人生を送った。
本来英雄で終わるはずの彼が何故『悪』に身を落としたのか?
何故世界に絶望し、全てを否定し続けたのか?
もしも、『のはらリン』が生きていたら・・・。彼は壊れなかったのだろうか。
ある少女がいた。のはらスズというその少女はのはらリンと同じように、屈託なき笑顔を浮かべ、凛とした強い信念とそれに比例する優しさで周囲を魅了していた。
彼女はとある少年に恋をし、ある少年から想いを寄せられ、のはらリンと同じように生き、死んでいった。
ただ、彼女がリンと違ったのは事切れる寸前に走馬灯のように全てを思い出した点である。
そのことを夢から覚めた後に気づいた。
自分が嘗てこことは違う世界に生きていたこと。その世界で大人気な少年漫画の世界に生まれたこと。自分も知っている彼女に成り代わっていたこと。そのことを知らず、彼女と同じような一生を終えたこと。そして、
(また私は生まれた)
短い手足、頭に残る、覚えのない記憶。母だと思えない彼女を何故母だと認識していたのか。見知らぬ医師の存在も。
リンのように生きた前も、本物のリンが死んだ後のこの世界の未来も、
もしも夢で泣いていたオビトが現実にあったことなら?
あのオビトが私が知っている「オビト」のようになって仕舞うの?
他でもない、私のせいで?
カカシもだ。NARUTOの通りなら屹度今も後悔している。誰が悪い?
悪いのは・・・私だ。
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