おぼえていますか | ナノ
言葉は間違えてはいけない

(完結後のRE主と例の男達の日常)



ある日、火影様に呼び出された私はある任務を受けた。


「この子ですか?」
「ああ。そうだ」

手には一枚の写真。なんでも火影様の知り合いの息子が忍者になろうか迷っていて、それなら暫く木の葉で暮らして、下忍の任務を見学すればいい!ってことになったらしい。それでその滞在中の居候先が私の家だと。

「でもどうして家なんですか?」
「お前の家にはセコムがいるだろう」

――それも二つ。火影様にセコム呼ばわりされた人間を思い浮かべ、私はそっと溜息をついた。



「ただいま〜」
「「おかえりスズ!」」


中忍の私に対して里の誉と名高い上忍と未だ警戒はされているが同じくトップレベルの上忍のカカシとオビトがいつも通り大げさに出迎えた。うん、可笑しいかな、二人とも今日はSランク任務だったはずだけど?何でもう帰ってるの?しかも傷一つないの?

この二人に最早常識は通じないと悟った私は「疲れてるだろうから座ってて!」「もうすぐ夕飯出来るヨ」に大人しく従った。何も言うまい。

仲良く(?)夕飯の準備を進める二人の背を見ているのも飽きたので、私はその背に向かって告げた。

「家族が一人増えることになったの」

ガッシャーン!!!

やけに割烹着姿が似合うオビトがお玉を、食器の準備をしていたカカシがお皿を割った。あ、それ結構高かったのに(買ってきたのはカカシだが)

「わ!大丈夫?」

オビトは兎も角カカシは握力でお皿を割ったので破片が刺さって手から血が出てる。うわぁ、痛そう。
すぐに治療しようと手を伸ばせばその手ごと握られた。そして真剣な顔で「ホント?」と訊ね、その迫力に気圧されつつ、コクンと頷けば、

「オビトォォォ!!お前ッ!スズを孕ませたとかフザケルナ!純粋で天使みたいなスズに手出した時点でお前屑だったけど今じゃ屑以下ダヨ!今すぐ謝れ!ミナト先生の墓前で土下座して報告と懺悔してこい!」

カカシ、怖い。
一方カカシに詰め寄られたオビトはというと、

「え////あ、ふぇ!」


真っ赤だ。ちょ、「ふぇ!」って何?!それとカカシ、そんなに揺すったらオビト死んじゃう。首も締まってる。落ち着けと二人(特にカカシ)を宥め、私は訂正すべきことを訂正した。


「オビトの子じゃないよ」

ガッシャーン!(二回目)


呆然とするカカシと今にも死にそうなオビト。我に返ったカカシに「なら誰の子?俺に教えてごらん?」って笑ってるのに背筋が凍り付きそうな眼差しでグイグイ迫られる。その後ろで過呼吸起こしてるオビトに駆け寄りたいが、カカシの指が両肩に食い込んでいるんじゃないかってくらい押さえつけてて、動けない。


取りあえず、


「二人とも話は最後まで聞いてよ」


その後任務の説明と誤解を解くのに三時間かかった。


***

後書き
一応恋人同士のRE主とオビト+居候中のカカシ。多分RE主たちが結婚してもカカシは出ていかない。そのうち本当に子どもが出来たら溺愛すると思う。
今回は紛らわしい発言で暴走する男達でお送りしました。



prev next


「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -