おぼえていますか | ナノ
01



「宜しくスズ!」
「宜しくなスズちゃん」

どうしてこうなった。

担当上忍(アスマ)に視線だけで訊ねたが顔を背けられた。役に立たないクマめ!!(ギリッ!!)

取りあえずこれ以上無言でいると暴走しかねない男の子(?)一名がいるので、出そうになった溜息を必死で飲み込んでから…

「うん。宜しくね」

…――トビ君。フェレット君。

13歳姿に変化したオビトとイタチさんに向かって笑顔を向けた。若干引き攣ってしまったのは仕方がないと思います。






ルーキー三班の担当上忍たちが何を考えているのかと小一時間ほど問い詰めたいが、メンバーがメンバーだけに出来る筈もない。ああ、もう泣きたい。


「スズと同じ班かぁ・・・・・・ぐす」
「泣くなトビ。うざい」


現実逃避していると昔を懐かしんだのかオビトが涙目になった。そしてそれを容赦なく切り捨てるフェレット君ことイタチさん。オビトが「トビ」を名乗ることについては(原作知識があるから)そんなに違和感ないけど、イタチさんが「フェレット」って。


「黙れ胴長動物」
「何のひねりもない名前を使っている奴に言われたくない」
「ああもう二人ともここ会場だから!」

お願いだから場所選んで喧嘩して!いや、喧嘩されたらされたで困るけど。
兎に角周囲からの視線が痛い。


任務に文句ばかりのルーキーたちに一度己の限界を悟らせるいい機会だといって、中忍選抜試験を受けさせることは稀にある。兵力が必要とされる戦時では出来ないことだが、平和な今だからこそ可能なんだろう。

だけど私たちアスマ班が他の二班と異なるのは「私」という存在がいることだ。チーム戦、個人戦が必ずある中忍選抜試験。合格できるのは現時点で中忍としての力量があるものだけ。そして私は下忍だけど、前の私は一度この試験に受かっている。

つまり何が云いたいかと言うと、元々アスマ班は四人と他よりも有利なこと。その四人全員が「普通」の下忍ではないこと。試験には下忍認定試験で求められたような「答え」が存在する。当然、一度受かったことがある私はそれを知っている分、同じ班にいる以上、イノ・シカマル・チョウジの三人も他二班のメンバーよりも有利だ。

運も実力の内という言葉もあるとはいえ、アスマはこの四人でうけさせることはしなかった。うん、そこまではいい。ただ一つ問題なのが、私を外すことも解るけど、よりにもよって私と組むメンバーが何でこの二人なの?!!

【うちはオビト】
およそ14年前神無毘橋の戦いにて殉職したと思われていたが、実際にはうちはマダラに助けられ一命を取りとめる。その際移植された初代の細胞の御蔭で木遁忍術が一部だが使える。時空間系の万華鏡写輪眼を開眼済み。マダラに鍛えられたのか、以前の落ちこぼれと蔑まれたのが嘘のように体術・幻術・忍術と優れている。実力でいったら五影レベルかもしれない。

【うちはイタチ】
7歳でアカデミー卒業。10歳で中忍・そして暗部に所属し、13歳で暗部分隊長まで登りつめたうちはの天才児。多少欠点がありつつ、その実力は留まるところをしらない。味方でなければ裸足で逃げ出すもの多多。実力は未だ不明。


…うん。受かる気しかしない。



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