高校生オビト、常習犯
色々あって小学生やっている江戸川コナンこと、工藤新一は下校中に顔見知りの刑事を見つけ、その隣に佇むこれまたよく知った顔に気付きギョッと目を見開いた。
「高、高木刑事…その、」
もう一度、ジッと男を見た。やっぱり。
確信を持ったコナンが再度口を開く前に後ろにいたメンバーが前に飛び出て、コナンは後ろに追いやられた。
「あれー?そのお兄ちゃん誰―?」
「ホントだ、しらねー顔だな」
「高校生ですね」
「そうね」
コナンが何か言う前に一緒に下校する少年探偵団のメンバーがその「高校生のお兄ちゃん」について訊ねた。
高木は言い淀んで「あ、その、」と不審な行動を取っている。意外と賢い彼らはまさかこの兄ちゃんは悪い事やらかして連行されてるんじゃ…という考えに至り、さりげなく一歩後退した。
そんなちびっこたちの様子を無感動に見つめる男は突然顔を上げたかと思えば、
「スズ!!」
叫んだ。そしてさりげなく高木が捕まえていた腕をあっさり振り払い、元太の後ろのコナンの更に後ろに走り寄った。
「あ、オビト」
少女の聲にふにゃりと顔を綻ばせる男はさっきまでの無表情はどこにいったと問いたくなるほど明るい。
少女はコナンたちよりも年上だがその背中には赤いランドセル。対してオビトは帝丹高校の制服を身に纏っており、青いブレザーが汚れるのも厭わずに膝をついて視線を合わせている。
「あ〜あ、やっぱり」
「…やっぱそうか」
高木とコナン、同時に半ば呆れ気味にそう呟く。
特にコナンは工藤新一の時に見知った男が全く変わっていないことを嘆いた。
「あれって四年生のかがちスズさんですよね」
「うん。私交流会で一緒になったことあるけど、とっても優しいお姉さんだったよ!」
「…で、そのかがちさんに纏わりつく犬みたいなあの高校生、江戸川君も顔見知りなの?」
「……ああ。俺…じゃなかった、新一兄ちゃんの隣のクラスの高校生のうちはオビト。まあ新一兄ちゃんは探偵として有名なのに対してうちはの奴は特定の人物のみのロリコンとして有名なんだ」
「「「「成程」」」」
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