フガク視点
あれからどれほどの月日が経過しただろうか。
ユウがこの里を離れ、俺の息子が生まれた。息子も今年5つ。ミコトは次男、サスケを生んで産後の経過もよく子ども二人の面倒を見てくれている。
可愛い我が子をこの腕に抱くと、必ずユウの顔が思い出される。
できればアイツにも俺の息子を見せたかった。あのままこの里に入れば、ユウならミコト並にイイ女を妻にし、子供が生まれて……もしかしたら俺たちの様にその子は同期となり、班員となり、友となったかもしれない。
そんなIFを何度夢見た事だろうか。
イタチはまだ幼いが、それでも優秀だ。ユウの弟であるミナト君が火影になったことは喜ばしい。彼はうちはを妨げない。それにユウを連れ戻そうとしていると聞いたことがある。
もしアイツが帰ってきたら、イタチの師匠になってほしい。可愛い我が子だ、その辺の上忍師に任せたくない。いや、それ以前にアカデミーに通わせず、ユウに任せようか。見聞を広めるために遊学と偽って、ユウの下に送ろうとこの間もミコトと話していたほどだ。
ユウの話をしているとき、俺は楽しそうに笑っているとミコトは言う。
俺に似たのか、イタチも子どもらしさが欠けるというか、表情豊かとは言い難く友がいない。ユウといることでイタチは子供らしく笑えるかもしれない、と淡い期待を胸に抱いていた俺は、里を襲った悲劇を前にそんな悠長なことを云っていられないと実感した。