長門&主人公視点


長門視点


この世界を変えなくてはいけない。弥彦を、俺の太陽を失った今、この絶えず涙を流す故郷の空を見つめながら俺はそう決意した。

マダラと名乗る男の手をとり、不安そうな顔をした小南の声に耳を傾けず、俺は、俺は……


そのとき真後ろからかかる聲に肩を揺らす。静かな聲だった。


「本当にそれでいいのか」

ウルサイ
お前に何が分かる

そう叫びそうになった。振り返ればそこには以前と全く変わらない赤髪の男がいた。



「わからないさ。だが一つ言える、お前は」


嫌だ、聞きたくない!
耳を塞ぎ、瞼を閉じ、弥彦とは別の意味で眩しい男から逃れる。


――お前はいずれ後悔する。


その悟りきった、全てを見透かした瞳が大っ嫌いだった。

だから皮肉気に嘲笑いながら俺は問う。

「お前の眼にはこの世界はどう映る?」と。


だがお前は、


「この世界は、残酷だ。そして美しい…美しく残酷な世界なんだよ」


俺以上に悲しい目をしていた。



***


主人公視点


気づいたときには全てが遅かった。まさか俺が再びこの雨隠れの里を訪れたときには弥彦が死んで長門がペイン化しているなんてエスパーじゃない限り分かる筈もない。


かなり危ない目をした長門と偶然鉢合わせした時、空を仰いだ。

もしこのまま放置したら木の葉が、そして俺自身が危ない。今ならまだそこまで決意は固まっていないことに賭けて説得を試みるが駄目だった。やっぱり俺みたいのじゃ意味ないか、ナルトじゃないし。

って、あれ?ナルトって、長門=ペインになった→オビト(トビ)が介入している→カカシが写輪眼ゲットだぜ!→でも俺そんなこと聞いてない→多分ミナトが火影&ナルトの誕生。→でもやっぱり俺そんな話聞いてない。

もしかしてはぶられてる?


う、うわぁあああああん!皆なんか嫌いだァアアアアアア!


内心で大泣きしていたら今俺は長門と会話したことを思い出した。

分かる分からないの話に取りあえず、


「わからないさ。だが一つ言える、お前はいずれ後悔する」


人生の先輩として助言しておく。俺じゃお前を止められないし止める勇気もないけど、俺の甥っ子が止めてくれるさ!

だからあと数年待てと目で訴えれば何故か「お前の眼にはこの世界はどう映る?」とか訊ねられた。どうしてそうなった?

世界、世界か…うん、考えたことない。

あ、そういえば「この世界は〜」から始まる有名な言葉を思い出した。

「この世界は、残酷だ。そして美しい…美しく残酷な世界なんだよ」


ミカサちゃん、可愛かったよな。


***

基本自分の発言に責任を持たない主人公。イタチだったり、進撃のミカサちゃんだったり、その人物になりきって言うから必然的に悟りきった顔になるミステリー。それで勘違いされていく。


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