ダンゾウ視点


ダンゾウ視点


「そうか」
「はい、報告は以上です」

1人にしろと合図すれば音もなく消える部下。その部下から伝えられたユウからの情報。何も言わずに常に木の葉の利になる情報を仕入れてくれる愛弟子を思い浮かべ、口許に笑みを作る。


「雨隠れ、か」


<暁>と<山椒魚の半蔵>が手を組めば厄介だ。ユウの眼を通して内部の情報も解った。

そう、ユウ自身恐らく気づいているだろう。奴の身体には儂が考案した特殊な呪印が刻まれている。本人では確認できないだろう背中に薄らと残る刀傷に紛れて施したそれについてユウが儂を責めたことは無い。逆にそれを利用してこうして儂の利になる危険な場所に進んで向かってくれる。

フン。儂が監視もなしにユウを他里の人間に会せるものか。ユウが危機に陥った際にはいつでも応援を送れるようにしておるわ。ヒルゼン辺りに聞かれればまた過保護と謂われ兼ねんがそれだけユウが他者を惹きつけるのが悪い。


これで雨隠れの脅威を削げれば上々だが…。

今はそれ以外にもユウに伝えるべきか悩む事がある。次の火影になる可能性が高いのはアヤツの鼻っ垂れた実弟だということ。そして元弟子で自害したサクモの息子がうちはの眼を手に入れたこと。

どちらも上手く使わねば儂の進むべき道の邪魔になる。だがユウには危害はいかんだろう。特に弟の方はユウを里に戻そうとするかもしれん。

儂と目的が一緒なら無駄に争わず、協力するのがベストか?
いや、あの小僧はそれだけで大人しくなるはずがない。

くそ!ユウに似ず、なんと厄介な!



ところであの長門とかいう男の眼、まさかな。


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