主人公視点




 喜ばしい報告である。なんと!俺に友人が出来たのだ!
しかも今日も彼と待ち合わせ中である。あ、ほら。きたきた。

 「サクモ君!」

 興奮気味に叫んでしまったがご愛嬌。だって、友達なんていたか?って思われているほどぼっちな俺だよ?元班員のフガク君とかヒカゲ君だって「あ、そういえばいたなそんな奴」っていいそうなレベルだよ?ダンゾウ先生だけは流石にヘタレすぎる俺に同情したのかいまだに何かと気に掛けてくれるけど…いつか先生離れできたらいいなぁ。とか思いつつ、そう、友人は「サクモ」である。姓は「はたけ」。ここまでいえば誰だって解るだろう。

 「ユウ!」

はたけサクモ。木の葉の白い牙で有名な超売れっ子な上忍。任務数は俺と同じとはいえ、所詮上役のパシリでしかない俺とは大違いだ。それになんといってもあの「カカシ先生」のお父さんである。仲良くなって、招待された家で2、3歳くらいのカカシ先生を抱っこさせてもらいました!可愛かった!うちのミナトには劣るけど!

そしてこのサクモ君は俺より年上だけど気さくないい人なんだよ。仲間を大切にしていて、俺みたいなハブられ者にも声をかけてくれるんだ。最近よく俺は周りからひそひそと「あいつダンゾウの…」って囁かれてる。陰口か?!しかも「ダンゾウの…」の続きはなんだよ!

パシリ?虎の威を借る狐?七光り?依怙贔屓?……駄目だ、どれも当て嵌まる。

でもダンゾウ先生に皆と同じように扱ってください!って直訴する勇気なんてない。それに先生にまで愛想つかされたら今波風一族内で総無視されている俺はほんとにひとりになっちゃう。ミナトったら流石未来の四代目、早くも才能発揮し一族内で持て囃されている。いやね、上が出来損ないだとその反応は正しいんだけどね。

取り残されてポツンと佇んでいると自然と涙がでちゃうよ!ぐすっ


 まあ一族内で居場所が無いため、最近じゃあ家にいるより任務かサクモ君に修行をみてもらったり一緒にお茶したりカカシ先生と遊んだりしてます。泊まる場所はサクモ君の家にお世話になったり、稀にフガク君に強制的に引っ張られて彼の家にやっかいになったり、最終手段はダンゾウ先生がくれた根に作られた俺の私室で寝泊まりするから、実家にはここ数か月戻ってない。ミナトにも会ってない。ちょっと寂しい。



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