ダンゾウ視点





志村ダンゾウ視点


「波風ユウか、使えるのか」

「それはお主が見て判断せよ。あとはアカデミーのトップとドベの二人も任せる」


ヒルゼンに手渡された書類に目を通せばうちはと日向の餓鬼の情報が書かれている。うちはの方は傲慢そうで日向の方は短気、成績で振り分けるとよくあることだがこういう二人は大抵個人主義に走ってチームの輪を乱しがちだ。


だが上忍師を引き受けたのは他でもない、もう一人の書類上では平均でしかない波風の後継ぎに興味があったからに他ならぬ。

一見女子のような顔をもつ子どもは、その外見からは想像がつかないくらい他と違う風格を既に持っている。一度見たがあれによく似た雰囲気を儂は知っている。


それで下忍として認めるための試験の前に軽く自己紹介をさせてみた。
うちはの餓鬼は既にそ奴に一目置いているらしい。だろうな、見ただけで他とは違う。日向のドベは間抜けそうな面のままの性格らしいが、どちらの、いや、儂の僅かに放つ殺気すら感じ取っているはずなのに全く隙を見せないユウという子どもはゆっくりと自分を語った。


「俺は波風ユウです…好きなモノは平和、嫌いなものはそれを壊すこと……。夢は」


そこで切って儂に向かって不敵な笑みを浮かべ、


「火影を支えることです!」


嗚呼、なんて面白い!!


(屹度こやつなら近い未来、儂の根を任せてもいいだろうと感じた)






prev  next
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -