サスケ視点




サスケ視点



くそ!イタチ兄さんにまんまとしてやられた!!


俺があの憎き蒼風の野郎と勝負してから数日、何故かその男に興味津々なユウさんは俺を見てくれない。今まで修行だってつけてくれたのに、あれ以来いつだってぼーっとしてて明らかに心此処に非ずってとこだ。

だから兄さんに「さぁ気分転換にデートしましょう!」とかいって流されるんだ!抵抗しろよ!そして兄さん、あんた暗部の仕事はどうした!

怒り心頭なサスケの突き刺すような視線もイタチは軽く流してユウと恋人つなぎで出かけたため、サスケの怒りもマックスに近い。


全てはサスケの愚痴から始まった。
そう、自分が彼に奴の名前を云わなければこんなことにはならなかった。


サスケは脳裏に蒼風を思い浮かべる。

暗部の癖に太陽の光で輝く黄金色の髪の毛とか、
サスケとは違うデザインの猫面を被り二つの穴から覗く蒼穹の双眸とか、
食事の時に外された垣間見えた口許だけで造形の良さが分かってしまうとか、

実力はサスケ自身が敗北したことから明らかであり、その容姿に関しても上記のように文句の付けどころがない。問題の性格だが、それはサスケ自身もよくないのにユウは可愛がってくれていることから恐らくユウが気にしないだろう。

サスケが蒼風を嫌う理由、それはユウが取られるかもしれないから。


サスケは自分が兄に勝てないことを知っている。そしてユウの息子のイツキにも(今はまだ)勝てない。だからこそサスケはこれ以上負けてはいけない、そう、ユウを巡る男達の戦いに!!


両親は二人の息子のどちらかがユウと結婚すればいいと思っているので協力は期待できない(フガク大蛇丸との関係を一刻も早く切れと主張してるし、イツキは認めても出来れば息子と結婚して自分の身内になって欲しいと思ってる)。


では、何としてでも蒼風を倒せばいいのではないかと思いもしたが、その蒼風は暗部の中でも火影派の人間に囲まれていて中々手が出せない。仲間内での争いご法度な里では即急に奴ら暗部を暗殺するのは容易ではない。

サスケは頭を抱えた。
そこに一人の悪魔が近づく。


「ねぇサスケ…俺と一緒に、蒼風含む火影派の奴らぶっ殺そう!」

未だかつてないほど物騒な勧誘をしに近づいて。


サスケはその差し出された手をジッと見つめた。

気が付けば、サスケの手はその手の上に置かれている。その様子に二ヒリと王子様フェイスには似つかわしくないあくどい微笑みを浮かべたイツキは告げる。


「情報収集や他に引き込めそうな連中集めは俺に任せて!伝手(=ダンゾウおじい様)があるから!」


輝かしい笑顔の下では殲滅対象をリストアップする自分が鬼も逃げ出すほどの真っ黒い笑顔を浮かべている。


うちはサスケ
波風イツキ

二人の小悪魔が手を組み、上層部ぶっ壊そう同盟がここに設立した。




prev  next
「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -