主人公視点



やっべーよ。なんでオビトなの。何でイタチ君もいるの?
俺何もしてないのに行き成り攻撃を仕掛けられたし。

イタチ君は何だか躊躇してオロオロしてるし。出来れば俺の味方についてほしい。



オビトと俺、果たしてどっちが強いか――オビトでしょ?

考える暇もなく答えが出たよ。悲しいことに俺じゃあオビトに勝てるわけない。諦めるな!と脳内で初代火影様が叫んでるけど俺が諦めないことを諦めろと言い返した。


だが幸いここは木の葉の外れとはいえ火の国内。よし、五分だ。五分稼げば誰か来るはず。特にダンゾウ先生の部下が来るはずだ。俺今日帰るって言っておいたし。


未だに戸惑っているイタチ君を俺はジッと見つめる。目で「フガク君にイタチ君が見捨てたって云いつけてやる!」と脅してみると嬉しいことにイタチ君は決心したのか、俺を助けてくれた。思わず口端が上がる。


「何を笑っている…?」

え、いや何も。
ちょっ、キモイからってそんな目で見ないで!


「生きていたんだな、オビト」

「…悪いか」


あ〜悪いというか。都合が悪いというか。
原作読んだときもさ、『オビトマジカッコイイ!英雄だろ!』とか思ってたのに原作二部が進むにつれてまさかまさかの嫌な予想が見事的中。仮面がパリンと割れてカカシ君の『お前は……オビト』に衝撃を隠せなかったファンはいないと俺は思うな!


よし。予定とは違うがオビトの説得、やらないよりやったほうがいい。


「悪くないさ。生きていてくれて嬉しいよ」

「フン。ならいいことを教えてやろう。俺は四代目を、ミナト先生を殺しクシナさんから九尾を抜き取って里を襲った張本人だ」


うっわぁ、コメントしづらいのきた。でもさ、それ、知ってる。

知っていてミナト達を、いや、それよりオビト自身も助けなかったビビりの俺こそオビトに糾弾されるべき醜い存在だ。


「あんたは俺を恨んでいる筈だ。憎む仇、屑の中の屑、生きている価値のない存在」


あ、なんか胸にグサっときた。やばい、泣きそう。ハンカチを取り出そうと懐を漁ったらつい先日大蛇丸さんから貰った忍具がついでに零れた。




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