主人公&大蛇丸視点



前回ナルトに向かって「お前は俺が守るよ」発言した波風ユウです。
現在俺は里外にいる、国外にいる、ここは田の国である。


ええ、決意した癖に何してるの?って罵られても仕方ないけどね、三代目や上層部(ダンゾウ先生を除く)に追い出されました。勿論ナルトも取り上げられた。俺の唯一無二の未来への希望が!とショックのあまり暴れれば取り押さえようと暗部が押し寄せ、その中に刃物みたいにギラギラした瞳のカカシ君がいたりと俺の許容範囲はとっくに越えている事態が起こりました。

ダンゾウ先生やうちは一族が俺を逃がしてくれたからよかったけどね。その時フガク君が連絡用の巻物をこっそり手渡してきたので大事に懐に入れてある。絶対近いうちに利用するよ、助けて!って(笑)


田の国はその名の通り、田んぼだらけ。ゲコゲコと朝も夜も蛙の合唱が聞こえる田舎らしい風景に、荒れ果てた心は少しずつ癒される。

蛙といえば思い浮かぶのはミナトの師匠。ミナトの師匠といえばイチャパラの作者、女風呂の覗き常連、伝説の三忍。

なら蛙と謂えば、その天敵は?

「――蛇だ」

「フフフフフ、久方ぶりね。波風ユウくん?」


舌なめずりして今にも食いついてきそうな長髪の男を前に、俺は懐にしまった巻物を早速取り出しかけた。





大蛇丸視点


「今日はいい日だわ」
「大蛇丸様、顔やばいですよ」

一言多い部下を睨みつければ足早に退出する。そこそこ美しいから気に入っているけど、あの子には劣る。そう、あの子、私を差し置いて四代目火影に就任したミナトの実兄、波風ユウ。

わたし好みの人間。才能、容姿、実力、全てを兼ね揃えた子。
伝説の三忍と謳われる私たちよりも真に強い忍びは、あの子か死んだ白い牙くらいでしょうね。


木の葉を抜けた、いや、抜けざるを得なかった可哀想な子。裏切った里のために外から支えているあの子を、三代目たちは理解しているのだろうか?いいえ、していたらまた追い出すなんてしないわ。

九尾の人柱力になった甥っ子を育てようとしたのも、裏があると踏んでいるみたいだけどあの子は違うわよ。あれは、純粋に家族を想う心から申し出ただけよ。なんで猿飛先生たちはそれに気づかないのかしら?これだから頭の固い老人は嫌ねぇ。


誰にも知らない筈の私の秘密基地。田の国の地下に、こんな巨大な隠れ里を作ろうとしているなんて、三代目たちも知らない。なのにあの子はそれに気づき、ここまでやってきた!ああ、なんて面白い。

敵をアジトに招き込んだ?いいえ違うわ。彼は私の大事なお客様よ。


「このままずっとここに居ればいいのに」


うっとりと目を蕩けさせ、頬を紅潮させる大蛇丸の視線の先には綺麗な赤髪が靡いていた。


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